
9月5日朝に確認したいのは、家計の消費動向、電気を届ける費用の見直し、事業承継を支える補助金です。9月4日公表の7月家計調査では、実質消費支出が前年同月を3.6%下回りました。同じ日には送配電会社が料金算定の基礎となる費用の変更承認を発表し、事業承継・M&A補助金の第16次公募要領も公開されています。家計では支出の中身、企業では今後の料金と申請・契約の時期を分けて確認したいところです。
今日のポイント
- 7月の消費支出は二人以上世帯で30万1,245円。前年同月比で実質3.6%減。
- 季節調整後の前月比は実質0.5%増。比較する期間で動きが異なる。
- 食料は支払額が増加しても、物価変動を除いた実質では減少。
- 関西・東北の送配電会社は、11月1日から新しい託送料金を適用する予定。
- 事業承継・M&A補助金の申請受付は10月2日から。9月4日は要領の公開日。
7月の家計消費は実質3.6%減、食費は金額と実質で違う動き
総務省が9月4日に公表した家計調査によると、7月の二人以上世帯の消費支出は1世帯当たり30万1,245円でした。前年同月比では、実際の支払額を示す名目で1.5%減、物価変動の影響を除く実質で3.6%減となり、実質の前年割れは8カ月連続です。一方、季節的な変動を調整した前月比は実質0.5%増でした。
| 7月の支出項目 | 1世帯当たりの金額 | 名目・前年同月比 | 実質・前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 消費支出全体 | 301,245円 | −1.5% | −3.6% |
| 食料 | 95,681円 | +2.2% | −1.3% |
出所:総務省「家計調査報告・2026年7月分」。対象は全国の二人以上世帯です。
食料では、支払った金額が増えても、物価の影響を除くと支出は減っています。「食費が増えた」という家計の実感と、実質消費の弱さは両立します。支出額の増加を、そのまま購入量の増加とは読み替えられません。
ただし、すべての分野が同じ動きではありません。教養娯楽の支出は実質で前年同月比4.8%増でした。テレビ朝日は、惣菜などで安価な商品の購入や買い控えが見られる一方、宿泊や外食への支出が増えるなど、消費にメリハリが出ていると報じています。テレビ朝日の報道
この内訳から読み取れるのは、消費全体の弱さと、分野ごとの需要の違いです。小売店や飲食店が販売動向を考える際も、総額だけで判断せず、自店に関係する費目の動きと照らし合わせることが大切です。今回の数字は7月の結果であり、9月時点の消費を直接示すものではありません。
託送料金の算定費用を変更承認、関西・東北は11月からの適用を予定
関西電力送配電と東北電力ネットワークは9月4日、託送料金の算定の基礎となる「収入の見通し」について、経済産業大臣の変更承認を受けたと発表しました。両社とも、今後の約款変更の届出を経て、11月1日から新たな託送料金を適用する予定です。関西電力送配電の発表、東北電力ネットワークの発表
託送料金は、電気を販売する事業者などが送配電設備を使う際の料金です。「収入の見通し」は、その設備の運営や投資などに必要な費用を一定期間について見積もったもので、各社は国の承認を受けた範囲で料金を設定します。
背景には原材料費、労務費、金利の上昇があります。各社は、電気工事を担う人材や資機材の供給体制を維持し、安全・安定供給を続けるための対応と説明しています。電力会社だけでなく、設備工事などを担う取引先の事業継続にも関係する見直しです。
家計や店舗にとって次の確認点は、契約する電力会社の小売料金へ、いつ、どのように反映されるかです。今回の発表だけでは、個々の家庭や店舗の請求額は計算できません。全国で一律に同額の値上げが決まったとは扱わず、料金改定のお知らせと適用月を確認する必要があります。
事業承継・M&A補助金、第16次の要領公開と契約時期に注意
事業承継・M&A補助金の事務局は9月4日、第16次公募の要領を公開しました。申請受付期間は10月2日から11月6日17時までです。9月5日時点では、要領を読んで準備する段階で、申請受付は始まっていません。事務局の第16次公募案内
この補助金は、事業承継に伴う設備投資や、M&Aで利用する専門家、引継ぎ後の経営統合などに関する費用の一部を支援します。「事業承継促進」「専門家活用」「廃業・再チャレンジ」「PMI推進」の4枠があり、取組に合う枠を選ぶ必要があります。PMIは、M&A後に経営や業務を統合する取組です。
中小企業が特に確認したいのは、申請期限だけでなく、契約・発注をする時期です。専門家活用枠の買い手支援類型・売り手支援類型では、対象経費の契約・発注は交付決定日以降かつ補助事業期間内で、支払いも同期間内に完了することが要件です。仲介業者などとの契約を先に済ませ、後から支払えば対象になるとは限りません。専門家活用枠の公募要領
事務局が示す交付決定の時期は、2027年1月下旬以降、順次の予定です。10月に申請する案件でも、予定するM&Aや専門家との契約時期が合うかを確認する必要があります。
申請には「Jグランツ」を使い、「GビズIDプライム」が必要です。M&Aの助言や仲介の費用については、依頼先が「M&A支援機関登録制度」に登録されていることも要件となります。まず自社の承継計画と対象経費を整理し、契約前に該当する公募要領を確かめたいところです。
読者が確認しておきたいこと
- 家計:食費などについて、支払額の増減と購入内容の変化を分けて振り返る。
- 店舗・企業:自社に関係する消費項目と、契約する電力会社の料金改定・適用月を確認する。
- 承継を検討する事業者:補助金の対象枠、契約・発注の予定日、交付決定との前後関係を確認する。
- 申請予定者:GビズIDプライムの有無と、11月6日17時の申請締切を確認する。
まとめ
家計調査は、食費の支払額が増える一方で実質消費が減る姿と、分野ごとの違いを示しました。送配電では費用見直しの承認が進み、事業承継では次の補助金公募に向けた準備が始まります。過去の消費実績、今後の料金適用、補助金の申請と交付決定を分けて捉えることが、暮らしと経営の判断につながります。
出典
- 総務省統計局「家計調査報告(二人以上の世帯)―2026年7月分―」(2026年9月4日公表)公式資料
- テレビ朝日「7月家計調査 実質−3.6% 8か月連続減少 去年より低気温も要因に 総務省」(2026年9月4日15時04分)記事
- 関西電力送配電「託送料金における収入の見通しの変更承認について」(2026年9月4日)公式発表
- 東北電力ネットワーク「『託送供給等に係る収入の見通し』の承認について」(2026年9月4日)公式発表
- 事業承継・M&A補助金事務局「16次公募要領開示およびWEBサイト開設のお知らせ・第16次公募スケジュール」(2026年9月4日告知)公式案内
- 事業承継・M&A補助金事務局「専門家活用枠〈買い手支援類型・売り手支援類型〉公募要領・16次公募 Ver.1.0」(2026年9月4日公開)公募要領
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