村上海賊(むらかみかいぞく、村上水軍)は、中世~戦国時代の瀬戸内海・芸予諸島一帯で活動した海賊衆です。その規模は宣教師ルイス・フロイスが「日本最大の海賊」と記すほど強大で、能島・来島・因島の三島村上氏を中心に海上権益を掌握しました。私掠や略奪だけを生業とする無法者とは異なり、独自の掟(ルール)に基づいて航路の安全を保障し、交易や流通の秩序維持にも貢献した「守る海賊」だった点が特徴です。本記事では、村上海賊の起源から三家の役割、主要な合戦(厳島の戦い・木津川口の戦い)、豊臣秀吉の海賊停止令による終焉、そして ...