
概要:なぜ今、資格取得?コスパ重視の理由
景気の変化や働き方改革により、スキル証明としての資格取得が注目されています。特に転職市場では「資格取得=収入アップ」というイメージが強く、実際に資格取得者の約6割が収入アップを目的としており、多くの人が資格取得によって収入増加を実感しています。しかし社会人や学生にとって、時間も費用も有限です。そのため短期間・低コストで大きなリターンを得られる「コスパのいい資格」を選ぶことが重要になっています。
本記事では2025年時点で費用対効果の高い資格を厳選し、費用(受験料+教材費)、合格率、難易度、人気度(受験者数や検索トレンド)、市場ニーズ(就職・転職・副業への有用性)といった指標で比較しました。ビジネスパーソンはもちろん、主婦や学生、キャリアチェンジ希望者まで幅広い方々が効率よくスキルアップできるよう、ランキング形式でご紹介します。各資格ごとに費用や合格率、活かせる業界、難易度や人気の評価、そして総合的なコスパ評価も解説します。限られた時間とお金を有効活用し、あなたのキャリアに最適な資格を見つける参考になれば幸いです。
資格ランキング(2025年版)【比較表】
まずはコスパ重視で選んだ資格TOP10を一覧表で比較します。受験費用(目安)や合格率、難易度・人気度(5段階評価)をまとめました。
順位 | 資格名 | 試験費用(目安) | 合格率(目安) | 難易度(5段階) | 人気度(5段階) |
---|---|---|---|---|---|
1位 | ファイナンシャルプランナー(FP) | 約1.5万円(FP2級) | 約30~50% | 3/5 | 5/5 |
2位 | 日商簿記2級 | 約1万円(受験料5,500円+教材) | 約20%(回による) | 4/5 | 5/5 |
3位 | TOEIC(英語能力テスト) | 約8千円/回 | -(スコア制) | 3/5 | 5/5 |
4位 | 宅地建物取引士(宅建) | 約8,200円 | 約15~18% | 4/5 | 5/5 |
5位 | ITパスポート | 約7,500円 | 約50% | 2/5 | 4/5 |
6位 | MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) | 約1万円(科目ごと) | 約80%(一般レベル) | 2/5 | 4/5 |
7位 | 基本情報技術者 | 約7,500円 | 約50%(新制度) | 3/5 | 3/5 |
8位 | 行政書士 | 約1万円(受験料10,000円前後) | 約10~14% | 5/5 | 4/5 |
9位 | 危険物取扱者(乙種第4類) | 約4千円 | 約30~40%(地域差) | 3/5 | 3/5 |
10位 | 社会保険労務士(社労士) | 約1.5万円 | 約6~7% | 5/5 | 3/5 |
※合格率や費用は2023~2024年の最新データや目安に基づきます。一部試験は実施団体や年度により変動があります。またTOEICはスコア制のため「合格率」はありませんが、一般的に600点以上で履歴書に記載価値が生まれ、800点以上で英語を強みにできる水準とされています。
それでは、以上のランキングに沿って各資格の詳細(メリット・難易度・活用法など)を解説していきます。
1位:ファイナンシャルプランナー(FP技能士)
試験費用: FP2級の場合、学科・実技試験の受験料は合わせて約11,700円(非課税)です(FP3級は約8,000円)。テキスト代は数千円程度で、独学でも比較的取り組みやすい費用感です。
合格率: 試験は日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2団体が実施しており、合格率は実施団体によって差があります。例えば2023年1月実施のFP2級試験では、日本FP協会実施分の学科合格率が56.12%、きんざい実施分では29.07%というデータが出ています。概ね30~50%前後と中程度で、しっかり勉強すれば十分合格が狙えるでしょう。
メリット・活かせる業界: FPはお金の専門知識を幅広く学ぶ資格です。金融・保険・不動産など多岐にわたる業界で需要があり、営業職だけでなく人事や総務などでも知識が役立ちます。また個人の資産運用や家計管理にも直結するため、取得効果を実感しやすい資格とされています。転職や昇進に有利なだけでなく、自分自身のマネープランにも活かせる汎用性の高さが魅力です。
難易度: ★★★☆☆(5段階中3) – FP2級の場合、必要な学習時間はおよそ100~300時間程度とされます。FP3級からのステップアップで取得する人が多く、3級の学習目安時間は80~150時間ほど。社会人が働きながらでも無理なく学習できるレベルと言えるでしょう。出題範囲は税金・保険・年金・不動産・相続など多岐にわたりますが、過去問演習を重ねれば対応可能です。
人気度: ★★★★★ – FP資格は近年大人気で、2024年には取得者数・満足度ともに第1位との調査結果もあります。特に副業解禁や老後資金への関心から個人で勉強する人も増えており、Twitterや資格サイトでも「勉強してよかった資格」として頻繁に言及されています。企業からの評価も高く、社内で資格手当が出るケースもあります。
総合評価: FPはコスパ最強の資格です。受験費用の安さと独学のしやすさに比して、得られる知識の幅・深さが大きく、転職や副業、独立まで視野に入る汎用資格と言えます。実際にFPを取得した人からは「日常生活でも役立つ」「将来の資産計画に自信が持てた」といった声が多く、費用対効果の高さがうかがえます。
2位:日商簿記2級
試験費用: 日商簿記2級の受験料は5,500円(税込)です(2024年度改定後)。別途ネット決済手数料が数百円かかる場合があります。独学用のテキスト・問題集は一冊2,000~3,000円程度から入手可能で、総費用は1万円前後に収まります。
合格率: 簿記2級の合格率は回によって大きく変動します。統一試験(ペーパー試験)では難易度により10~30%前後で推移しており、最近の例では2023年11月が11.9%と低かったのに対し、2024年11月は28.8%まで上昇しています。また随時受験できるネット試験では平均35%前後とやや高め。全体的には20%前後を目安にしておくとよいでしょう。合格基準は70点以上の絶対評価なので、過去問演習で確実に得点力を養うことが重要です。
メリット・活かせる業界: 簿記(二級)は企業会計の基本を理解する資格で、業種・職種を問わず役立つ汎用スキルです。経理・財務はもちろん、営業や企画職でも数字に強い人材として評価されます。また「お金の流れ」は全てのビジネス活動の基盤のため、簿記の知識は幅広い職種で生かすことができるとされています。転職市場でも「簿記2級取得」が応募条件や加点対象になる求人が多く、特に中小企業では経理を兼務できる人材として重宝されます。さらに副業での記帳代行やフリーランスでの確定申告にも知識を応用可能です。
難易度: ★★★★☆(5段階中4) – 簿記2級は出題範囲が広く、商業簿記と工業簿記の両方をマスターする必要があります。合格率20%前後が示すように難易度は高めですが、裏を返せば問題の難易度次第で十分合格も狙えるレベルです。独学でも合格可能ですが、初学者は3級から順にステップを踏むのがおすすめです。標準的な学習時間は200~300時間程度と言われ、社会人なら3~6ヶ月かけて取り組む人が多いです。ポイントは仕訳や財務諸表作成などパターン演習の反復で、試験の7割超を安定して得点できる実力を養うことです。
人気度: ★★★★★ – 簿記は長年根強い人気を誇る資格です。3級・2級合わせた受験者は毎回数万人規模にのぼり、学生から社会人まで幅広く受験しています。特に転職希望者には「何を勉強すればいいか分からない」ときの第一候補として簿記が挙がることも多く、資格スクール各社でも常に簿記講座は人気ランキング上位です。SNS上でも「#簿記勉強」「#簿記合格」のハッシュタグで多くの学習者同士が情報交換しており、そのコミュニティの大きさからも人気度の高さがうかがえます。
総合評価: 簿記2級はコスパ良好な実務資格です。比較的低コストで挑戦でき、合格すればあらゆるビジネスシーンで武器になる会計スキルを証明できます。難易度はやや高めですが、その分「合格した」という自信と信用を得られる点で費用対効果は高いでしょう。未経験分野への転職時にも簿記の知識が評価されるケースは多く、「まず簿記2級を取って一歩踏み出せた」という成功談も数多く聞かれます。
3位:TOEIC(トーイック)※英語コミュニケーション能力テスト
試験費用: TOEIC公開テストの受験料は税込7,810円ですstudying.jp(2025年現在)。年に10回前後実施されており、受験するたびに費用がかかりますが、直近受験者には次回割引(リピート受験割引制度)で6,710円になる制度もありますiibc-global.org。市販の問題集や単語集は1冊2,000円前後で揃うため、総費用は1~2万円程度で抑えられるでしょう。
合格率: TOEICは資格試験ではなくスコア制テストのため合否はありません。スコアは10~990点で評価され、日本人受験者の平均は約580~600点と言われます。一般的な企業では600点以上で基礎的な英語力を証明でき、800点以上あれば英語を強みとしてアピールできる水準です。なお外資系企業では採用条件として800点以上を求める例も多く、900点に達すれば国内ではトップクラスの評価となります。したがって自身の目標スコアを定めて学習し、そのスコアを取得することが「合格」と同義と言えるでしょう。
メリット・活かせる業界: TOEICスコアは国内外問わずあらゆる業界で通用する英語力の指標です。特にメーカーの海外営業、商社、金融、ITなどグローバル展開する企業では昇進要件にTOEICスコアを課す例もあります。就職活動でもTOEIC○○点以上を応募条件にする企業があり、スコアが高ければ書類選考で有利になります。また、転職時にも客観的な英語力証明として重宝されます。副業として翻訳や通訳、英語講師などを考える場合もTOEIC高得点が信用材料になります。英語力は汎用スキルのため、市場ニーズは常に高く、履歴書の箔付けとしても効果的です。
難易度: ★★★☆☆(5段階中3) – TOEICで高スコアを取る難易度は目標点によって異なります。例えば600点台であれば中学~高校英語の延長線上ですが、800点以上狙うにはビジネス表現やスピードに慣れる訓練が必要です。独学でも十分習得可能ですが、リスニング力強化には継続した音声学習、リーディング力向上には毎日の読解練習が求められます。一般に、700点を超えるには300時間程度、800点超には500時間程度の学習が必要とも言われます。試験自体はマーク式で難問奇問は出ませんが、時間との戦いになるため、過去問演習や模試で時間配分のスキルを身につけることがポイントです。
人気度: ★★★★★ – TOEICは国内で年間数十万人が受験する超メジャーなテストです。ビジネスパーソンの「とりあえず受けておこう」という存在であり、大学生の就活準備としても定番です。SNSでも「TOEIC〇〇点達成!」という報告や勉強法の共有が盛んで、対策本も常にベストセラー上位にあります。近年はオンライン英会話や公式アプリなど学習環境も充実しており、社会人の間でスコア更新に挑戦する動きも活発です。知名度・認知度という点でTOEICに匹敵する資格・検定はなく、まさに人気度MAXと言えるでしょう。
総合評価: TOEICは費用対効果の高い自己投資です。1回数千円の受験料で現状の英語力を可視化でき、努力次第でスコアを伸ばしていくことが可能です。特に中級レベル(600~700点)までの伸びしろは大きく, 比較的短期間の学習でも結果が出やすいため、「コスパが良い」と感じる受験者も多いです。高得点取得には継続学習が必要ですが、その過程で得た英語力自体がキャリアの武器になります。グローバル化が進む今、TOEICは試して損のない資格試験でしょう。
4位:宅地建物取引士(宅建)
試験費用: 宅建試験の受験料は8,200円(非課税)です。2022年度に7,000円から値上げされましたが、それでも1万円以下で受験できます。教材費は独学向けの基本書・問題集セットで1~2万円ほど。合格後、宅建士証の交付や登録の際に別途費用(登録実務講習約15,000~20,000円、登録手数料など)がかかりますが、合格までは比較的少ない投資で済みます。
合格率: 宅建は毎年20万人以上が受験する人気試験ですが、合格率は15~18%前後と狭き門です。例えば2023年度は受験者約23.3万人中4万人合格で17.2%、2024年度は合格率18.6%といったデータがあります。試験は50問のマークシートで、毎年合格ライン(基準点)は50点中およそ35~37点となります。問題の難易度は年度によって多少上下しつつも、毎年合格者数が一定数(約3~4万人)になるよう調整される傾向があります。したがって合格率自体は大きく変わらず、常に上位15%程度に入る力が求められる試験と言えます。
メリット・活かせる業界: 宅建士は不動産取引のプロフェッショナル資格です。不動産業界では事務所ごとに宅建士の設置義務があるため、保有者のニーズが非常に高いです。宅建を持っているだけで手当(月1~3万円)が付く企業も多く、転職市場でも宅建士は厚遇されます。また建築・住宅業界、金融機関の不動産融資担当、土地活用のコンサルなど、不動産知識が求められる職種でも強みになります。独立開業する場合も、宅建士資格があれば不動産業の免許取得に必要な人材要件を自分で満たせるため、不動産仲介業への参入も可能です。副業として賃貸不動産のオーナー業をする際にも宅建の知識は契約や法務で役立ちます。つまり、宅建は不動産分野での市場ニーズが非常に高い資格です。
難易度: ★★★★☆(5段階中4) – 宅建試験は法律(民法・宅建業法)と税・土地の知識が問われ、範囲は広いものの深さは中程度です。合格には満点の7割程度が必要であり、一見すると難しく感じますが、対策しやすい国家資格という評価もあります。過去問からの類似出題も多く、頻出分野を優先的に学習すれば効率よく得点できます。独学の場合、300~400時間の学習が目安とされ、社会人でも半年~1年計画で十分狙えます。ポイントは法改正点や判例を含めた暗記量の多さを克服することと、権利関係(民法)など難解分野でどこまで点数を落とさず踏ん張れるかです。予備校や通信講座も充実しており、独学が不安ならプロの教材を活用して短期合格を目指すのも一手です。
人気度: ★★★★★ – 宅建は毎年の受験者数が20万人を超える超人気資格です。不況の年でも宅建の受験者数はあまり減らないと言われるほどで、不動産業界志望者はもちろん「とりあえず宅建」という社会人も多いです。ハローワークの職業訓練や企業内研修でも宅建講座が開かれるほど認知度・人気が高く、資格学校大手のTACやLECでも受講生数トップクラスを維持しています。合格発表時期にはTwitterで合格ラインや結果に一喜一憂する投稿が毎年のようにトレンド入りし、資格界の一大イベントといえる盛り上がりを見せます。こうした高い人気と知名度ゆえ、「宅建持ってます」と言えばどんな業界でも努力を伝えやすいメリットがあります。
総合評価: 宅建は短期決戦でキャリアアップを狙える高コスパ資格です。受験料も安く独学者も多いことから費用面のハードルは低めです。それでいて合格すれば不動産取引のエキスパートとして一生ものの資格手当や信用を得られます。難易度は高めですが合格者も多く、情報交換のコミュニティや教材も豊富なので、正しい戦略で臨めば十分突破可能です。転職・昇進・独立と幅広い道を開く宅建は、そのリターンを考えると非常にコストパフォーマンスに優れた資格と言えるでしょう。
5位:ITパスポート
試験費用: ITパスポート試験の受験料は7,500円(税込)ですagaroot.jp。全国の試験センターでCBT方式により毎月実施されており、日程や会場を選んで受験できます。教材費は市販の基本書と問題集で5,000円程度から揃います。学生向けに学割受験料の制度はありませんが、そもそもの受験料が手頃なので総費用1万円以内で取得可能です。
合格率: ITパスポートは情報処理技術者試験の入門区分で、合格率はおおむね50%前後と高めです。直近では2022~2024年度は合格率50~60%台を推移しており、受験者の2人に1人以上が合格しています。試験はCBTで100問中60%以上正解が合格基準です。高い合格率からも分かる通り、しっかり対策すれば初心者でも十分合格可能な難易度と言えます。高校「情報」科目履修者や理系学生などIT基礎知識がある層では合格率60%以上とも報告されており、社会人でも基本用語の暗記と過去問練習で対策できます。
メリット・活かせる業界: ITパスポートはITリテラシーの証明として幅広い業界・職種で役立ちます。具体的には、情報セキュリティ・ネットワーク・データベースなどの基礎知識を体系的に学ぶため、業務でパソコンやシステムを使うすべての人にメリットがあります。特に最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進で非IT部門の社員にもIT基礎知識が求められるため、社内研修でITパスポート取得を推奨する企業もあります。就職活動でも「基本的なIT知識あり」のアピールになり、文系学生にとっては他の応募者との差別化につながります。さらにITパスポートは国家資格なので社内評価や自己啓発の目標として認められやすく、初めて取得する入門資格としても最適です。
難易度: ★★☆☆☆(5段階中2) – IT未経験者にとっては新しい専門用語が多く最初は戸惑うかもしれませんが、出題範囲は基本的な事項に限られます。高校レベルのIT科目程度の知識がベースになっており、参考書を一通り読み、過去問題集を数回解けば合格点に達しやすいでしょう。平均学習時間は50~100時間程度とも言われます。難易度を数字で見ると基本情報技術者よりも合格率が高く、国家試験の中でも易しい部類です。ただし広く浅く出題されるため、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の全分野をバランスよく学習することが求められます。暗記だけでなくITを活用したビジネス活用例なども理解しておくと応用問題にも対応できるでしょう。
人気度: ★★★★☆ – ITパスポートは近年人気急上昇中の資格です。高校で情報科目が必修化されたこともあり、10代の受験者も増加傾向にあります。社会人でもDX推進の流れで注目され、受験者数は右肩上がりです。資格スクール各社もITパスポート講座に力を入れ始めており、書店でも関連書籍コーナーが拡大しています。Twitter上でも「#ITパスポート合格」「#ITパス勉強」といったタグで多くの投稿が見られ、合格報告も日々流れてくる状況です。知名度では簿記や英検ほどではないものの、「これから取るべき資格」としてメディアに取り上げられる機会も増えており、時代のニーズを反映した人気資格となっています。
総合評価: ITパスポートはコスパ抜群の入門資格です。受験費用が安く試験日程の融通も利くため、思い立ったらすぐに挑戦できます。短期間の勉強で業務に役立つIT基礎知識が身につき、合格すれば国家資格として履歴書にも書けます。難易度が低めなので社会人のリスキリングや学生のスキルアップとして取り組みやすく、投入した時間・費用に対するリターンが大きいでしょう。【「IT初心者だけど合格できた」「仕事でIT用語が分かるようになった」】という声も多く、現代のビジネスパーソンにとって取って損なしの高コスパ資格です。
6位:MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
試験費用: MOS試験の受験料は1科目あたり一般レベル10,780円(税込)です(Word, Excel, PowerPointなどのAssociateレベルの場合)。上級(Expert)レベルは12,980円ですが、必要に応じて科目を選択受験できます。学割利用で各2,000円引きになります。主要科目すべてを取得する場合は費用がかさみますが、WordとExcelの2科目だけでも十分評価されるため、多くの方は必要な科目に絞って受験しています。公式テキスト&模擬ソフト(1科目あたり数千円)を購入して対策するケースが一般的ですが、独学でも無料の練習問題サイト等で対応可能です。
合格率: MOS試験の合格率は比較的高めです。ユーキャンによると一般レベル(スペシャリスト)は約80%、上級レベル(エキスパート)は約60%程度と言われています。試験は実技形式(パソコンでOffice操作を行う)で行われ、満点1000点中700点以上が合格基準です。受験者のほとんどが何らかの対策講座や教材で十分練習してから臨むため、高い合格率になっています。基本操作を覚えて模擬試験で合格点を取れるようになれば、本番でもほぼ合格できるでしょう。試験時間内にいかに効率よく問題を処理するかが鍵ですが、過去問演習で時間配分を体得すれば難しくありません。
メリット・活かせる業界: MOS資格はMicrosoft Office製品のスキルを客観証明する資格で、事務職志望者には特に有利です。Wordでの文書作成スキル、Excelでの表計算・関数スキルなど、具体的に何ができるかを示せるため、新卒採用や転職でもアピール材料になります。実際、「パソコン得意です」より「MOS取得済み」のほうが説得力があるため、企業の評価が上がる傾向があります。また業種を問わず一般事務や営業事務、経理補助などオフィスワーク全般で活かせるスキルです。即戦力を求める派遣社員やパート採用でもMOS保持者は歓迎されるケースが多く、「資格手当」を支給する企業も一部あります。さらにMOS学習を通じてOfficeの隠れた便利機能を知ることで業務効率化にもつながり、社内での評価アップや作業時間短縮といった副次的なメリットも期待できます。
難易度: ★★☆☆☆(5段階中2) – MOSは独学でも十分合格可能な難易度です。基本的に出題範囲=Officeソフトの機能一覧であり、試験対策用の模擬問題集を解きながら機能操作を覚えることで対応できます。一般レベルならパソコンが苦手でなければ約1~2ヶ月の学習で合格ラインに達するでしょう。難易度1としなかったのは、全くOffice操作に不慣れな場合は最初にパソコン操作の基礎習得が必要な点と、上級レベルでは高度な機能も問われる点を考慮しての評価です。ただし合格率が物語るように、しっかり準備さえすれば8割の人が受かる試験ですから、必要以上に構える必要はありません。過去にOfficeを使って文書・表作成した経験がある方なら理解も早く、とくにExcelの関数やグラフ作成など実務で役立つ内容が多いため楽しみながら習得できるでしょう。
人気度: ★★★★☆ – MOSは大学生や若手社会人を中心に高い人気があります。大学の授業でMOS取得を支援するところもあり、就活生が資格取得している例も珍しくありません。またOfficeソフトが世界共通のビジネスツールであるため、グローバルに見てもMOS資格の知名度は高いです。SNSでは「#MOS合格」「#MOS○○(科目名)」といった投稿が多く、特に試験日当日や結果発表日は合格報告が相次ぎます。資格そのものの知名度はFPや簿記に比べると一般には少し低いかもしれませんが、「Officeソフトが得意」というアピールを分かりやすく形にできる資格として、採用担当者など評価する側の認知度は高いと言えます。受験機会が毎月豊富にあることも人気を支える要因です。
総合評価: MOSは手軽に取れて仕事に直結するコスパ優秀な資格です。試験費用はやや高めですが、一度取得すれば半永久的に有効(バージョンアップしてもスキル自体は継続的に役立つ)です。少ない勉強時間で結果が出やすく、「資格を通じて実践スキルも身につく」という点で費用対効果は大きいでしょう。特にパソコンスキルに自信がない方が短期間で武器を得たい場合に最適です。実務的でありつつ履歴書映えもするMOSは、「とってよかった」「昇給に繋がった」という声も多く、年代問わずおすすめできる高コスパ資格と言えます。
7位:基本情報技術者
試験費用: 基本情報技術者試験の受験料は7,500円(税込)です。ITパスポートと同じ情報処理推進機構(IPA)の試験区分で、こちらも全国の指定会場でCBT方式により随時受験できます。参考書・問題集は1冊3,000円前後、プログラミング学習用の教材を追加してもトータル1~2万円程度の出費で済みます。学生割引はありません。
合格率: 基本情報技術者は2023年度より試験制度が変更され、合格率が50%前後と大幅に上昇しました。従来は年2回筆記試験があり合格率20~30%の難関試験でしたが、現在は科目A(選択問題)と科目B(アルゴリズム・コーディング)の2段階CBTとなり、2023年度平均合格率は47.1%に達しました。例えば2023年4月~6月の月間合格率は52~56%と高水準でした。これは科目合格制による受験者の質向上や問題の標準化によるものと分析されています。とはいえIT未経験者には依然としてハードルが高く感じられる試験ですので、しっかり勉強した人が増えた結果の合格率とも言えます。油断せず十分な対策が必要です。
メリット・活かせる業界: 基本情報技術者(FE)はITエンジニアへの登竜門と称される国家資格です。IT業界では新卒エンジニアがまず目指す資格であり、取得しているとプログラマ・SEとしての基礎力証明になります。転職でも「基本情報持ち」は評価が1ランク上がる傾向にあり、未経験からIT業界に移る際の信用材料にもなります。また社内SEや情報システム担当者などIT部門配属を目指す社内公募でもアピール可能です。基本情報の知識範囲はアルゴリズム、データ構造、ネットワーク、データベース、セキュリティ、プロジェクト管理、経営戦略と多岐にわたり、取得過程でIT全般の知見が広がるメリットもあります。最近ではITエンジニアでなくても、製造業の生産管理や金融のシステム部門など技術と業務をつなぐ職種で基本情報の知識が重宝されています。IT分野でキャリアを築きたい人には必須級の資格と言えるでしょう。
難易度: ★★★☆☆(5段階中3) – 新制度で合格率が上がったとはいえ、内容自体は高度IT人材の基礎試験であり難易度は中~高級レベルです。特に科目B試験では擬似言語によるアルゴリズム問題やプログラミング問題が出題され、コーディング経験がないと苦戦しがちです。一方で選択問題(科目A)はITパスポートより一歩踏み込んだ知識を問う内容ですが、過去問演習の積み重ねで対応できます。学習時間目安は200~300時間とも言われ、理系学生でも数ヶ月の準備が必要なボリュームです。計算問題や記述的な問題もあり、幅広い科目をバランス良く勉強する必要があります。難易度評価は3(中くらい)としましたが、これは情報系出身者や業務経験者にとっての体感難易度です。完全初心者にとっては★★★☆☆~★★★★☆寄りかもしれません。ただ、体系的に勉強すれば必ず理解が深まる分野ばかりなので、苦労に見合うリターンも大きいでしょう。
人気度: ★★★☆☆ – 基本情報技術者はIT業界では有名ですが、一般には「何それ?」となる場合もあります。受験者は主に情報系の学生や新人エンジニアが中心で、毎年の合格者は2万人前後です(コロナ前の筆記試験時代)。制度変更後は受験機会が増えましたが、受験者層は専門寄りなため、簿記などに比べると裾野は狭めでしょう。しかしIT人材需要が高まる中で注目度は徐々に上がっており、大学でも資格取得支援が行われたり、大手企業で昇進要件に含まれるケースも出てきています。SNSでは「#基本情報勉強中」「#基本情報合格」など技術者同士の交流が盛んです。資格マニア的な人気というより、本気でITキャリアを考える人が目指す実務資格という位置づけですので、人気度評価は3としました。ただしそのコミュニティ内での評価は非常に高く、「基本情報に受かったなら十分頑張れる人材だ」という信頼を得られる点で、狭い範囲ではなく濃い人気があるとも言えます。
総合評価: 基本情報技術者は将来ITで食べていきたい人にとってコスパの高い資格です。費用は1万円弱と安価で、合格すれば国家資格+高度ITスキル証明の二重の価値が得られます。勉強量は多いものの、その過程で身についた知識や思考力は実務で確実に武器になります。まさに「取るまでが大変、取ってしまえば一生モノ」の典型であり、長期的なキャリア投資としての費用対効果は抜群です。難しいからこそ合格時の達成感も大きく、以降の高度資格(応用情報やプロジェクトマネージャなど)に挑戦する土台も築けます。ITエンジニア志望ならぜひチャレンジしたいコスパ最強資格の一つでしょう。
8位:行政書士
試験費用: 行政書士試験の受験料は10,400円です(令和4年度に7,000円から値上げ)。試験は年1回(11月)実施されます。独学の場合の教材費は基本書・問題集で2~3万円程度、通信講座や予備校を利用すると数万円~十数万円の費用がかかります。費用面では他の法律系国家資格(司法書士や社労士など)と比べれば受験料は安い方ですが、合格までの勉強コスト(時間と教材)はそれなりに必要です。
合格率: 行政書士試験の合格率は毎年およそ10%前後と低く、難関国家資格に分類されます。直近では2023年度が13.98%(受験者約4.7万人中合格者6,571人)、2024年度が12.90%(受験者約4.77万人中合格者6,165人)という結果でした。過去10年でも合格率がもっとも高かった年で15%台、低い年は5%台もあり、年度による難易度ブレが大きい試験でもあります。試験は300点満点中180点以上かつ基準点クリアが合格基準で、毎年の合格者数は5千~6千人程度に調整されています。要するに上位1割に入れば合格という厳しさです。
メリット・活かせる業界: 行政書士は官公署に提出する書類の作成や手続代理を行える法律系国家資格です。独立開業しやすい資格として有名で、許認可申請(建設業許可、風俗営業許可など)や相続・契約書作成、外国人在留関連手続きなど業務範囲は広大です。開業すれば自分で報酬を得る職業資格となり、副業で行政書士業務を行う人もいます。また企業内行政書士として法務・総務部門で重宝されたり、コンサルタント業務に知見を活かすこともできます。特に地方では行政書士の高齢化が進んでおり、若手有資格者のニーズが高いと言われます。さらに行政書士試験の勉強で身につく憲法・民法・行政法の知識は、他の資格(宅建や社労士など)取得や実生活の法律問題にも役立ちます。法学系資格へのステップアップの土台としても有効です。
難易度: ★★★★★(5段階中5) – 行政書士試験は膨大な法律知識の暗記と応用力が求められる難関試験です。主要科目の行政法・民法だけでも判例や条文知識を網羅する必要があり、合格には800~1000時間前後の学習が必要とも言われます。問題は択一と記述式が混在し、文章理解など一般知識も要求されるため、バランス良く対策しないと一科目の失点で不合格となるシビアさがあります。合格率が物語るように、独学で一発合格する人は稀で、多くは予備校や通信講座を利用したり数年かけて挑戦します。難易度を5としましたが、司法書士や司法試験ほどではないものの、社会人が仕事と両立して合格するには相当の努力が必要なレベルです。ただし科目合格制ではなく1回で全科目一括合格が必要な分、短期集中で合格する人も毎年一定数存在します。効率よく学習し、過去問研究と法改正対策を徹底すれば、難関ではありますが攻略は不可能ではありません。
人気度: ★★★★☆ – 行政書士は法律系資格の中では比較的人気が高いです。毎年4~5万人と受験者数も多く、男女問わず幅広い世代が受験しています。とりわけ社会人のキャリアアップや定年後の開業準備として人気で、「ダブルライセンス(宅建+行政書士など)で独立を目指す」といった声も聞かれます。資格スクールでは行政書士講座は定番で、SNS上でも合格発表時期には歓喜や悔しさの声が飛び交います。難易度の高さゆえ「合格者コミュニティ」も盛んで、受験生同士の情報交換も活発です。知名度も比較的高く、「行政書士です」と名乗れば業界外でもそれなりに通じる場合が多いでしょう。昨今ではYouTubeなどで行政書士試験の勉強法や開業後のリアルを発信する人も増え、そうした影響でチャレンジする人も増加傾向にあります。
総合評価: 行政書士はハイリスク・ハイリターン型のコスパ資格と言えます。勉強時間や難易度の面では上位に入る大変さですが、合格すれば独立開業という大きなリターンを得られます。費用対効果の視点では、独立せず企業内で働く場合でも法律知識を持っていること自体が評価され、昇進や配置転換で優遇されるケースもあります。何より法律の専門家として名乗れるステータスは大きく、自分自身のブランディングにもつながります。コスト(努力)も大きいがリターンも大きい典型的な資格であり、本ランキングではその点を踏まえて8位に位置付けました。本気でキャリアチェンジしたい人には挑む価値のある高コスパ資格でしょう。
9位:危険物取扱者(乙種第4類)
試験費用: 危険物取扱者(通称「危険物乙4」)の受験料は自治体ごとに異なりますが、概ね3,400円~4,500円程度です(東京都は3,700円など)。参考書と問題集を買っても合わせて5,000円前後と、資格試験の中では非常に受験コストが低い部類です。各都道府県の消防試験研究センターが年に数回試験を実施しており、受験の機会も多めです。
合格率: 危険物乙4の全国平均合格率は30~40%前後です(年度や地域で差あり)。例えば令和5年度(2023年)全国平均は43.7%と報告されています。試験は法令・物理化学・性質消火の3科目で各60%以上かつ全体で60%以上の得点が合格基準です。高校の化学に通じる内容も多いため、高校生が受ける場合などは学校での学習がそのまま役立ち比較的合格しやすい一方、社会人で理科から遠ざかっている人には暗記事項が多く感じられます。とはいえ出題パターンは定型化されており、過去問演習を十分に行えば合格圏に届くレベルです。独学しやすい国家試験として入門的なポジションにあります。
メリット・活かせる業界: 危険物取扱者(乙4)はガソリンや灯油など危険物の取扱資格で、主にガソリンスタンドや化学工場、タンクローリーの運転手などで必須または有利とされます。学生がアルバイトでガソリンスタンドで働く際に取得を奨励されることも多く、取得すれば時給アップにつながるケースもあります。また工場勤務や倉庫管理の現場でも、危険物の保管管理に関わる場合に乙4があると重宝されます。消防設備士など関連資格へのステップアップにもなり、消防法関係の知識が身につく点もメリットです。直接的な市場ニーズは限定的ですが、特定の業種では必須資格となるため、その業界を目指す人にとってはコスパ最強クラスの資格となります。さらに、危険物乙4は国家資格として信用もあり、転職時に「資格欄が賑やかになる」おまけ効果もあります。
難易度: ★★★☆☆(5段階中3) – 危険物乙4は暗記科目が中心ですが、化学反応式や物質の性質など理系の素養も必要です。全く化学が苦手な人には難しく感じられるかもしれません。一方で、高校化学レベルの基礎が分かっていれば比較的短期間(1~2ヶ月、50時間程度)の学習で合格ラインに届くことも可能です。難易度評価は3としましたが、これは「誰にでも易しい」という意味ではなく、「努力すれば確実に報われるレベル」という位置づけです。問題集を3周もこなせば大抵合格点は取れるため、独学合格者も非常に多いです。なお近年はテキストなしでYouTube講義のみで学習し合格する例もあるなど、学習コンテンツが充実してきています。苦手意識を持たずコツコツ暗記に取り組めば、それほど高い壁ではないでしょう。
人気度: ★★★☆☆ – 危険物乙4は特定分野向け資格のため、一般的な知名度は中程度です。ただし受験者数は年間延べ10万人以上とも言われ、高校生~社会人まで幅広い層が受験しています。特に高校の工業系学科では在学中に取得する人が多く、その世界ではポピュラーです。また資格マニアからも「お手軽に取れる国家資格」として人気があり、SNSやブログでの合格体験談も多く見られます。Twitterでも合格通知が来る時期には報告が散見されます。知名度という点ではFPや簿記には劣るため人気度評価は3としました。しかしコスパが良い資格の代表格として度々名前が挙がるため、「とりあえず資格を取りたい」という入門者には根強い人気があります。
総合評価: 危険物取扱者(乙4)は低コストで取得できる割にメリットの明確な資格です。数千円の費用と数十時間の勉強で合格でき、取得すれば特定業種での就職・バイトが有利になり即収入増につながる可能性もあります。その意味で費用対効果は非常に高いでしょう。ただし誰にでも役立つ汎用資格ではないため、順位としては9位としました。とはいえ「資格取得の成功体験」を積むにはうってつけで、乙4合格をきっかけに他の区分(乙種他類や危険物甲種)や消防設備士などにチャレンジする人もいます。簡単すぎず難しすぎず、取得後の恩恵もある乙4は、時間がない中で効率よく一歩前進したい方におすすめの高コスパ資格です。
10位:社会保険労務士(社労士)
試験費用: 社会保険労務士試験の受験料は15,000円(非課税)です。以前は9,000円でしたが2021年度より値上げされました。年1回(8月末)実施の国家試験で、受験願書の提出や写真準備など事前手続きも必要です。独学用教材費は2~3万円ほど、予備校通学なら数十万円規模になることもあります。資格学校各社がこぞって講座を提供する難関資格なので、金銭面・時間面の投資は資格の中でも最大クラスと言えます。
合格率: 社労士試験の合格率は毎年5~7%前後と超難関です。令和6年度(2024年)は受験者43,174人中合格者2,974人で合格率6.9%でした。前年度は6.4%、さらにその前は5.3%と推移しており、常に受験者の上位数%しか合格できない試験です。選択式と択一式の両試験で基準点をクリアし、かつ総合点でも基準を超える必要があり、科目ごとの足切りも存在します。つまり一部でも不得意科目があると致命的で、満遍なく高得点を取らねば合格できません。長時間の学習に耐え、なおかつ本番で実力を発揮できるごく一握りが勝ち残る過酷な試験と言えるでしょう。
メリット・活かせる業界: 社労士は労働社会保険法務の専門家で、企業の人事・労務部門や社労士事務所で強く求められる資格です。合格後に登録すれば年金相談、就業規則作成、労働保険手続き代行など独占業務が与えられ、独立開業も可能です。実際、開業社労士として中小企業の顧問契約を多数持ち高収入を得ている方もいます。企業内では人事労務のプロとして待遇アップが期待でき、昨今の働き方改革や法改正ラッシュに対応できる人材として重宝されます。また社労士資格は弁護士・税理士と並び「先生業」としてステータスが高く、他士業(行政書士やFP等)とのダブルライセンスで業務幅を広げる人も多いです。市場ニーズとしては、人事労務のアウトソーシング需要の拡大や年金・医療制度への関心増により社労士への相談件数は増えており、今後も安定した需要が見込まれます。
難易度: ★★★★★(5段階中5) – 社労士試験の難易度は国内資格でもトップクラスです。科目は労働基準法、社会保険各法、労務管理、一般常識まで多岐にわたり、暗記事項も膨大です。合格に必要な勉強時間は800~1000時間以上とも言われ、働きながら勉強する場合は1~2年以上計画で臨む人が大半です。問題も条文の細かな穴埋めや判例知識が問われるため非常にシビアで、毎年のように「選択式○○法で基準点割れ続出」といった受験生泣かせの出題がなされます。それでも諦めず数回チャレンジして合格に至るケースが多く、「3年計画でようやく合格した」という声も珍しくありません。難易度5(最高難度)に相応しい試験であり、「社労士に合格できる人は他のどんな資格でも合格できる」と言われるほどです。
人気度: ★★★☆☆ – 社労士試験は難関ゆえに志願者は多いものの、実際の合格者は少数精鋭です。約4万人が受験し合格数千人という狭き門ですが、そのぶん合格者同士の横の繋がりは強く、OB会や研修会などコミュニティが盛んです。ただ一般知名度としては「社労士?」と聞き返されることもまだあり、FPや簿記ほどライトな人気はありません。しかしビジネスパーソンからの認知度は年々向上しており、人事担当者や総務部員の間では「いつか取りたい資格」として話題に上がることもあります。資格学校では社労士講座は看板商品の一つで、毎年多くの受講生が切磋琢磨しています。SNSでは勉強垢を作って励まし合う受験生も多く、合格発表時の喜びの報告はひとしおです。人気度は合格の難しさから考えると控えめに3としましたが、特定層には熱狂的に支持されている資格です。
総合評価: 社労士は高難度だが得られるものも極めて大きい資格です。費用・時間の投資が膨大なので簡単に「コスパ最高」とは言えませんが、合格後の収入アップや社会的地位の向上を考えれば長期的な費用対効果は非常に高いです。特に将来独立して一生食べていける専門スキルを手にしたい人にとって、社労士は挑む価値があります。本ランキングでは「万人向けではないが、人生を変えるリターンがある資格」として10位にランクインさせました。もし強い意志と情熱があるなら、社労士取得はあなたのキャリアに計り知れないプラスをもたらすでしょう。
まとめ:資格選びのポイントと今後の注目資格
以上、2025年時点でコストパフォーマンスの高い資格を10個ご紹介しました。最後に、資格選びのポイントと今後注目すべき資格動向についてまとめます。
1. 自分の目的に合った資格を選ぶ: 資格にはそれぞれ得意分野や活かせる場面があります。キャリアアップが目的なのか、副業・独立が目標なのか、あるいはスキル証明や自己啓発なのかを明確にしましょう。例えば「手っ取り早く転職で有利になりたい」ならFPや簿記、「将来独立したい」なら行政書士や社労士、「業務効率を上げたい」ならMOS、といった具合にゴールに合致する資格を選ぶことが大切です。
2. 投資対効果を見極める: 受験料だけでなく、合格までにかかる勉強時間や難易度も含めて検討しましょう。忙しい社会人なら短期合格可能な資格(ITパスポートや危険物乙4など)から始めて成功体験を積むのも良い戦略です。一方、時間をかけてでも難関資格を取ることで大きなリターンが見込めるなら、長期投資と割り切って挑む価値があります。今回ランクインした資格はどれも費用以上のメリットがありますが、その中でも「短期型」と「長期型」があるので、自分のリソースと相談して選んでください。
3. 信頼できる情報源で最新情報をチェック: 合格率や試験制度は毎年変化することがあります。受験年度の最新データや公式発表を必ず確認しましょう。特に人気資格は受験者数の増減や法改正で難易度が変わることもあります。また、資格学校や専門サイトの無料セミナー・説明会を活用すると、独学では得られない効率的な勉強法や合格のコツが掴めます。
4. 今後注目の資格: 時代のニーズとともに資格の人気も移り変わります。現在注目なのはDX人材関連の資格や環境・SDGs系の資格です。たとえばIT系では基本情報技術者より上位の応用情報技術者、データ分析のPython検定、AI人材育成のG検定などが台頭しています。また、中小企業診断士は副業コンサル需要の高まりで人気上昇中です。環境分野では環境社会検定(eco検定)やエネルギー管理士なども脚光を浴びつつあります。とはいえ、今回紹介したようなビジネスの基礎力を高める資格(英語・会計・IT)は今後も価値が色褪せません。流行に左右されず、普遍的に強みとなる資格を一つ持っておくと、景気や業界の変化にも柔軟に対応できるでしょう。
最後に、資格はあくまでスキルアップの手段です。取得後にそれをどう活かすかが重要になります。ただ合格証を持っているだけでなく、学んだ知識を現場で発揮し、成果につなげてこそ真の価値が生まれます。ぜひコスパの高い資格を賢く選び、あなたのキャリアや生活に役立ててください。将来の目標に向けた一歩として、資格取得が皆さんの追い風になることを願っています。
出典・参考リンク
- 【スキルアップ研究所調べ】2024年に取得してよかった資格ランキング【PR TIMES】(2024年12月)
- 資格神「コスパのいい資格ランキングTOP10:短時間で高収入を目指せる資格とは」(2025年3月更新)
- グッドスクール「コスパのいい資格とは?ガチで食える資格と併せて徹底解説」(2024年11月)
- 資格広場「2025年最新 人気資格・検定おすすめランキング15選」(2025年1月7日更新)
- 日本商工会議所 簿記検定データkentei.ne.jp、受験料改定のお知らせwww2.osaka.cci.or.jp
- TOEIC公式サイト・Studying記事(受験料・割引制度)studying.jp
- Doda X「TOEICスコアの目安」(2022年)doda-x.jp
- TAC公開資料「2023年度 FP2級合格率(日本FP協会ときんざい)」u-can.co.jp
- アガルート「2025年FP技能検定概要」agaroot.jp
- Studying「令和5年度 行政書士試験 合格率発表」tac-school.co.jppro.goukakudojyo.com
- 朝長行政書士事務所NOTE「社労士試験 合格発表(合格率6.9%)」(2024年)sr-matsurika.com
- U-Can「MOS資格の難易度・合格率解説」(2024年7月)u-can.co.jp
- IPA情報処理技術者試験 統計資料 (基本情報技術者)seplus.jpgooschool.jp
- 消防試験研究センター「危険物取扱者試験 統計」 (参考:ACPA試験情報)acpa-main.org
- 社労士試験オフィシャルサイト「受験案内」kotora.jp
(※上記出典の他、各資格の公式WEBサイト・試験要項、資格専門誌(2023-2025年)等を参照し情報を整理しました)
2025年版コスパの高い資格ランキングTOP10:費用対効果で選ぶおすすめ資格
概要:なぜ今、資格取得?コスパ重視の理由 景気の変化や働き方改革により、スキル証明としての資格取得が注目されています。特に転職市場では「資格取得=収入アップ」というイメージが強く、実際に資格取得者の約6割が収入アップを目的としており、多くの人が資格取得によって収入増加を実感しています。しかし社会人や学生にとって、時間も費用も有限です。そのため短期間・低コストで大きなリターンを得られる「コスパのいい資格」を選ぶことが重要になっています。 本記事では2025年時点で費用対効果の高い資格を厳選し、費用(受験料+ ...
【完全保存版】経済アナリストになるには?必要な知識・スキル・分析手法を網羅解説
経済アナリストの定義・役割と証券アナリスト・エコノミストとの違い 経済アナリストとは、経済データを収集・分析し、今後の経済動向や市場の変化を予測する専門家です。株式市場や為替、金利、景気など幅広い経済要因を分析し、企業や投資家に情報提供する役割を担います。一般に証券アナリストは個々の企業や業界といったミクロ経済の動向を調査・分析するのに対し、エコノミスト(経済アナリスト)は国全体や世界市場などマクロ経済を分析し、経済全体の動向を予測する点が異なります。例えば証券アナリストが企業の財務諸表や業績を詳細に調べ ...