
政府は、レギュラーガソリンの全国平均価格を1リットル170円程度に抑える支援を9月以降も継続します。一方、政府の負担軽減策などを除いた日銀の7月のコアCPIは前年同月比2.3%と、基調的な物価上昇はなお続いています。
10月からは在留資格の変更・更新や永住許可の手数料も大きく変わります。外国人本人だけでなく、在留手続き費用を支援している事業者にとっても、予算や負担ルールの確認が必要です。
今日のポイント
- ガソリン補助は9月以降も継続し、全国平均170円程度を目指す
- 支援の終了時期は未定で、全店舗の価格を170円に固定する制度ではない
- 日銀試算の特殊要因除くコアCPIは、7月も前年同月比2.3%
- 在留資格変更・更新は許可期間別の料金となり、永住許可は20万円へ上がる
ガソリン補助、9月以降も「全国平均170円程度」を維持
ロイターの8月25日報道によると、高市早苗首相は、中東情勢を受けたガソリン価格の激変緩和措置について、現在の支援水準を9月以降も続ける方針を明らかにしました。必要な費用は、2026年度補正予算の「中東情勢等対応予備費」から支出するとしています。
目標はレギュラーガソリンの小売価格を「全国平均で1リットル170円程度」に抑えることです。資源エネルギー庁が8月19日に発表した全国平均は169.8円でした。ただし、これは全国平均の目安であり、各給油所の価格が一律170円になるわけではありません。
家計にとっては、通勤や送迎で自動車を多く使う世帯の急な負担増を抑える方向に働きます。運送、建設、訪問サービスなど燃料使用量の多い事業者にも、当面のコスト緩和となります。
一方、首相は支援をいつまで続けるか明言していません。あくまで激変緩和措置であり、中東情勢や原油価格を見ながら支援単価や終了時期を柔軟に検討する方針です。価格が抑えられている間も、支援の出口に関する発表を確認する必要があります。
支援策を除く基調物価は2.3%、一部指標では伸びが加速
日本銀行が8月25日に公表した7月のコア指標では、生鮮食品に加え、ガソリン補助、電気・ガス料金の負担軽減策、教育無償化などの特殊要因を除くコアCPIが前年同月比2.3%上昇しました。6月の2.6%からは鈍化しましたが、2%以上は22カ月連続です。
総務省が8月21日に発表した通常の全国コアCPIは前年同月比1.8%でした。日銀試算の2.3%との差は、補助金や制度変更によって実際の支払価格が押し下げられていることを示します。家計の負担が軽くなることと、補助を除いた価格上昇圧力が弱まることは、必ずしも同じではありません。
一方、生鮮食品・エネルギー・特殊要因を除く「特殊要因除くコアコアCPI」は2.2%と、6月の2.0%から伸びが拡大しました。刈込平均値は2.0%、加重中央値は1.1%、最頻値は1.4%で、測り方によって基調物価の水準には幅があります。
したがって、今回の数字だけで日銀の次の金利変更時期を断定することはできません。「コアCPIが鈍化した」という点だけでなく、補助を除いた物価や、エネルギー以外への値上げの広がりを継続して見る必要があります。
在留手数料は10月1日から期間別、永住許可は20万円
政府は8月25日、外国人の在留手続きにかかる手数料を引き上げる政令を閣議決定しました。テレ朝NEWSと介護ニュースJointが報じています。
7月に公示された出入国在留管理庁の資料と照合すると、主な窓口・オンライン手数料は次のとおりです。
| 許可期間・手続き | 現行の窓口料金 | 10月1日以降の窓口料金 | 新オンライン料金 |
|---|---|---|---|
| 3カ月以下の変更・更新 | 6,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
| 1年の変更・更新 | 6,000円 | 33,000円 | 27,000円 |
| 5年以上の変更・更新 | 6,000円 | 75,000円 | 65,000円 |
| 永住許可 | 10,000円 | 200,000円 | 対象外 |
変更・更新の料金は、実際に許可される在留期間によって決まります。また、生活保護法上の要保護者に準じる程度に困窮し、人道上の配慮が必要と判断される人などについては、減額制度が設けられます。適用は資産状況や在留状況などを踏まえて個別に判断されます。
介護ニュースJointは、特定技能などの在留手続き費用を受入施設が代わりに負担するケースも多いとして、介護現場の受入れコスト増を指摘しています。ただし、すべての企業が手数料を負担するという意味ではありません。外国人材を雇用する事業者は、自社の契約や支援方針で、誰がどこまで費用を負担するのかを確認しておく必要があります。
読者が確認しておきたいこと
- ガソリンは全国平均ではなく、日常的に利用する給油所の価格を確認する
- 物価を見るときは、通常のコアCPIと特殊要因を除く日銀試算を区別する
- 在留手続きの対象者は、在留期限、見込まれる許可期間、申請方法を確認する
- 外国人材を受け入れる企業は、手数料の費用負担と社内申請の流れを整理する
まとめ
ガソリン補助は当面の家計・事業者負担を和らげますが、終了時期は決まっていません。日銀の指標では、支援策などを除いた物価上昇がなお2%を超えています。
在留手数料の改定は10月1日に迫っています。対象者と受入企業は、最終的な公式案内を確認したうえで、必要な費用と手続きを早めに整理することが重要です。
出典
- ロイター「ガソリン補助170円を継続、ICCは『日本の立場と相いれない』と高市首相」(2026年8月25日)
- ロイター「特殊要因除くコアCPI、7月は+2.3%に鈍化 コアコアは加速=日銀」(2026年8月25日)
- 日本銀行「消費者物価のコア指標」(2026年8月25日)
- テレ朝NEWS「外国人の在留手数料大幅引き上げ 閣議決定 “困窮者”は減額も」(2026年8月25日)
- 介護ニュースJoint「外国人の在留手数料、10月から大幅引き上げ」(2026年8月25日)
- 出入国在留管理庁「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」(2026年7月3日公示資料)
ファミリーマート非公開化のその後は?伊藤忠との関係・現在の業績と成長戦略
上場廃止後のファミリーマートを、親会社との関係、業績、店舗運営の三つの視点から読み解きます。事業利益と最終利益の違い、売上増と客数減が同時に起きる理由を整理し、商品・デジタル広告・省力化の取り組みがどこまで成果につながっているかを確認します。
イトーヨーカドーは売却後どうなった?現在の親会社・店舗数と再建状況
売却されたイトーヨーカドーは、いま誰の傘下で、何を変えようとしているのでしょうか。店舗数の推移と事業承継の実例、2026年2月期の利益改善を整理。売却前からの改革と新体制の施策を分け、買い物に関わるサービス変更や今後の課題も解説します。
シャープは鴻海買収後どう変わった?黒字回復後の業績と再建の課題
鴻海傘下入りから約10年。シャープは黒字を取り戻した一方、足元では減益と業績予想の下方修正に直面しています。買収前後の業績、現在の稼ぎ頭、工場再編の完了事項と残る計画を整理し、再建の進展を判断する数字を読み解きます。
東芝は上場廃止後どうなった?現在の親会社・主力事業・再建状況【2026年】
情報基準日:2026年10月14日 東芝は上場廃止後も、エネルギー、社会インフラ、半導体・データ保存装置などを主力に事業を続けています。公表資料で確認できる直接の親会社はTBJH株式会社です。 再建では営業利益の改善や組織の統合が進んでいます。ただし、多額の純利益には保有するキオクシア株の売却・評価益も影響しています。事業で稼ぐ力の改善と、保有資産による利益を分けて見ることが、現在の東芝を理解するポイントです。 以下、所有関係、事業、業績の順に整理します。 現在の親会社はTBJH。JIPとはどう違う? 東 …
円安は今後どうなる?再び進む理由とドル円の見通し【2026年9月】
情報基準:2026年9月25日 円安の今後は、短期では米国の追加利上げ観測と米金利の上昇が、引き続き円を押し下げる材料になりそうです。一時進んだ円高が反転した背景には、日銀の利上げへの期待が先行した後、米国の金融引き締めが改めて意識されたことがあります。日米は9月にともに利上げしましたが、両変更の適用後の政策金利差は変わっていません。これからの分岐点は、米物価の落ち着きと、日銀がどのペースで追加利上げを進めるかです。 この記事のポイント 9月上旬の円高から再び円安に動いた過程を、政策と市場の反応に分けて整 …




