
情報基準日:2026年10月23日
ダイハツの認証不正問題から、その後の販売や改革はどうなったのでしょうか。
現在、タントやムーヴなどの主要車種については、販売会社が購入・納期の案内を出しています。一方、生産を終了したモデルや仕様もあり、希望する車を注文できるかは個別の確認が必要です。埼玉ダイハツの納期案内
販売台数は大きく落ち込んだ2024年から持ち直しています。ただし、販売の回復、車両の基準適合性、再発防止策の効果は、それぞれ分けて見る必要があります。
ダイハツ車は今買える?主要車種と例外を確認
主要車種については、販売店で購入を検討できる状況です。例えば埼玉ダイハツは、2026年10月8日時点でタント、ムーヴ、ムーヴ キャンバス、タフト、ミラ イース、ロッキーなどの注文から納車までの目安を案内しています。
ただし、これは同販売会社の案内です。希望するグレード、色、オプション、店舗によって条件が異なり、全国の全仕様について受注や納期を保証するものではありません。埼玉ダイハツ「即納新車の納期情報」
生産終了の情報にも注意が必要です。
| 車種・モデル | 公式情報で確認できる状況 | 購入時の確認点 |
|---|---|---|
| タント、ムーヴ、ロッキーなど | 販売会社が主要車種の納期を案内 | 希望仕様の受注可否と納車見込みを確認 |
| コペンの2代目モデル | 2026年8月31日に生産終了 | 販売店在庫の有無は別途確認 |
| グランマックス カーゴ | 2026年7月中旬に現行仕様の生産終了と案内 | 購入できる仕様・装備を販売店に確認 |
コペンは公式メッセージ、グランマックス カーゴは公式商品ページに基づきます。生産終了と在庫販売の終了は別です。また、これらの終了理由を認証不正と結び付ける根拠は、今回確認した資料にはありません。
過去の「出荷停止解除」は、現在の注文可否を示す情報ではありません。購入時には最新の車種・仕様ごとの案内を確認しましょう。
販売台数はどこまで戻ったのか
2026年9月のダイハツブランドの国内新車販売は、登録車と軽自動車の合計で4万9,283台。前年同月の4万9,030台から0.5%増でした。1~9月累計は40万3,161台で、前年同期比3.2%増です。自販連・2026年9月ブランド別統計
回復の程度を確かめるため、同じ1~9月の累計を並べます。
| 年 | ダイハツブランドの国内新車販売台数(1~9月) |
|---|---|
| 2022年 | 406,893台 |
| 2023年 | 441,603台 |
| 2024年 | 245,686台 |
| 2025年 | 390,737台 |
| 2026年 | 403,161台 |
出典:自販連・2022年、2023年、2024年、2026年資料の当年・前年累計。
※各年のブランド別統計に掲載された登録車・軽自動車の合計。乗用車と貨物車を含みます。同統計には軽自動車の速報値が含まれます。2026年9月分の軽自動車の台数は、全軽自協の確報と一致しています。
2026年の累計は、2024年の同期間を64.1%上回ります。一方、2022年比では0.9%少なく、2023年比では8.7%少ない水準です。「大幅な落ち込みから持ち直した」とはいえますが、どの年を基準にするかで回復の評価は変わります。
2022年は問題公表前、2023年は同年12月の全面的な出荷停止前の参考値として掲載しています。ただし、2023年にはすでに不正が公表されており、各年の市場環境や車種構成も異なります。台数の差をすべて認証不正の影響として説明することはできません。
また、軽自動車の内訳にも違いがあります。2026年1~9月のダイハツの軽乗用車は25万9,191台で前年同期比0.5%減、軽貨物車は12万2,240台で8.4%増でした。合計の増加だけでは、乗用車と商用車の動きの違いが見えません。全軽自協・2026年9月確報
販売台数には供給量や新型車投入なども影響します。例えばダイハツは2025年6月5日に新型ムーヴを発売しています。販売増だけを、消費者の信頼回復や再発防止策の効果の証明とするのは慎重であるべきです。新型ムーヴの発売発表
認証不正と、その後の行政対応はどう進んだのか
認証は、自動車が国の基準に適合していることを確認する手続きです。ダイハツの問題では、試験や申請に関する不正が確認され、2023年12月20日に当時の現行生産車すべての出荷を自主的に停止しました。国土交通省・2023年12月20日の発表
その後の主な動きは、次のように整理できます。
- 2024年1月16日: 国土交通省が是正命令を出し、再発防止策と実施状況の報告を要求。国土交通省の発表
- 2024年4月19日: 型式指定が取り消されたトラック3車種を除き、当時の現行生産車種について基準適合性の確認と出荷停止指示の解除が完了。会社は準備ができ次第、順次生産・出荷を再開すると説明。ダイハツの発表
- 2024年6月25日: 国土交通省が、開発中の1車種を除く45車種とエンジン4機種の確認を終了。42車種と4機種は適合とし、トラック3車種は基準不適合としてリコールを指導。国土交通省の検証結果
不適合とされたのは、グランマックス、タウンエース、ボンゴのトラックタイプです。後面衝突時の燃料漏れ防止に関する基準の確認で、バッテリーが所定位置に保持されないおそれが判明しました。2024年7月5日には、固定具の交換などを行うリコールが届け出られています。リコール届出資料
ここで区別したいのは、手続き上の不正、車両の基準不適合、リコールは同じ意味ではないという点です。出荷停止指示の解除も、不正がなかったことや、あらゆる状況で安全が保証されたことを意味しません。
再発防止策はどこまで進んでいるのか
会社が設置した第三者委員会は、不正の背景として、厳しい開発日程、試験に一度で合格しなければならない圧力、現場の問題を管理職が十分に把握できない体制などを指摘しました。個人の行為だけでなく、経営や業務の仕組みに問題があったとする分析です。第三者委員会報告・概要版
ダイハツは2025年1月24日、同月21日時点で再発防止策の全102項目が、実施済み、または継続して実施している段階に移ったと報告しました。これは「全項目の効果が実証された」という意味ではありません。第四回進捗報告の発表
会社が報告した主な見直しは、次の通りです。
| 課題 | 報告された施策 | 読み取る際の注意点 |
|---|---|---|
| 開発日程の圧力 | 2024年3月に標準日程を従来比約1.4倍へ変更。開発完了の確認後に認証段階へ進む仕組みを規定 | 個々の車種の実開発期間が一律に1.4倍になったという意味ではない |
| 試験車両への不適切な変更 | 鍵付きカバー、封印、変更履歴の管理、認証エリアの常時録画などを規定 | 規程の整備と、現場での継続的な運用確認は別 |
| 試験データの管理 | 後面衝突試験でデータの自動取得・転記を2024年12月中旬の認証試験に適用 | 他の試験すべてで導入済みとは限らない |
出典:抜本的な再発防止策の実施状況・第四回報告の開発プロセス、試験車両、試験データ管理に関する記載。
情報は2025年1月の報告で止まっているわけではありません。2026年9月発行のサステナビリティレポートでも、監査部主導の内部通報調査、外部弁護士やトヨタの通報窓口、匿名通報者への結果連絡などを説明しています。不正とその影響を振り返る教育施設についても掲載しています。2026年版レポート・SECTION6、78・83ページ
ただし、これらは会社による実施状況の説明です。制度が現場で機能しているかを見るには、監査で見つかった問題、その是正、現場の負担や相談のしやすさなど、運用の結果も確かめる必要があります。
トヨタとの役割分担にも対象範囲があります。2024年4月の発表では、海外事業について、トヨタが開発から認証までの責任を持ち、ダイハツが委託を受けて開発する体制へ、切り替えモデルから順次変更する方針を示しました。国内を含む全車種で移行が完了したとする説明ではありません。海外事業の体制変更に関する発表
購入検討者と保有者が確認すること
購入を検討している人は、販売店に次の点を確認すると、過去のニュースと現在の条件を混同せずに判断できます。
- 希望する車種・グレード・色・オプションの受注可否
- 注文生産か販売店在庫か
- 納車見込みと、その見込みが変わる条件
- 生産終了や仕様変更がある場合、購入できる仕様と装備
すでにダイハツ車を所有している人は、車検証の車台番号を使い、公式のリコール等対象車両検索で未実施の対応がないか確認してください。他社ブランドの車は、そのブランドの窓口で確認します。
検索結果には届出や修理の反映に時間がかかる場合があります。通知を受け取った場合や車の状態に気になる点がある場合は、検索結果だけで判断せず販売店に相談してください。認証不正に関する過去の確認と、その後に届け出られるリコールも分けて確認することが大切です。
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