
情報基準:2026年9月16日
政府は9月15日、食料品の消費税を2年間1%に引き下げる改正案を盛り込んだ大綱を閣議決定しました。実施は、国会で法案が成立することが前提です。同日、厚生労働省は長時間労働が疑われる事業場への監督結果を公表。家計に関わる税率案と、職場の労働時間管理の課題を整理します。[1・6]
食料品の消費税1%は2027年4月開始案、外食は10%
政府が9月15日に決めたのは、制度改正の基本方針となる大綱です。国税庁は同日、対象品目や請求書の扱いを説明する特設サイトと資料を公開しました。[1]
改正案では、飲食料品の消費税率を国・地方合計で現在の8%から1%へ引き下げます。期間は2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間で、今後、国会に法案を提出して審議する段階です。[1・2]
1%の対象となる飲食料品の範囲は、現在の軽減税率と同じです。主な税率の組み合わせは、次のように示されています。[2・3]
| 対象 | 現在の税率 | 改正案の適用期間中 |
|---|---|---|
| 軽減税率対象の飲食料品・持ち帰り | 8% | 1% |
| 店内飲食・酒類 | 10% | 10% |
| 軽減税率対象の新聞の定期購読 | 8% | 8% |
表は原則的な扱いです。税率1%を前提としない既存の定期供給契約や通信販売の一部には、契約・申込みなどの時期に応じて8%を適用する経過措置案があります。[3・4]
家計への効果は、税抜き価格が同じという条件なら具体的に計算できます。税抜き1,000円の対象食品は、現在の税込み1,080円から1,010円となり、支払いは70円減る計算です。計算は「1,000円×(8%−1%)」で、実際の店頭価格は事業者が設定する税抜き価格によって変わります。[2]
食品を扱う事業者には、レジの税率設定に加え、請求書への対応も関わります。国税庁の案内では、対象食品のインボイス(適格請求書)に1%とその税額を記載し、それ以外の記載事項は従来どおりとしています。店内飲食と持ち帰りを扱う店では、販売時の区分を引き継ぎながら、適用する税率を切り替える対応が論点になります。[3]
また、8%で販売した食品を引下げ後に返品する場合は、元の8%で税額を調整する案です。新しい税率で売る準備と、過去の売上げを処理する準備を分ける必要があり、通販や卸売の事業者には、元の取引の税率を追えることが実務上のポイントになります。[4]
TBSテレビによると、大綱は2029年4月から中・低所得者に所得に応じた給付を行い、今回の税率引下げをそれまでのつなぎと位置付けています。具体的な財源確保策は、年末の予算編成に持ち越されたと報じています。[5]
長時間労働の監督で1万1228事業場に違法残業
厚生労働省は9月15日、2025年度に監督した2万9150事業場のうち、1万1228事業場、38.5%で違法な時間外労働を確認したと発表しました。調査対象は、長時間労働が疑われる事業場などです。[6]
集計期間は2025年4月から2026年3月。月80時間を超える時間外・休日労働が疑われる職場や、過労死などに関する労災請求があった職場を選んで調べた結果を、今回新たに公表しました。[6]
賃金不払残業は1,901事業場で確認されました。また、4,045事業場では、労働時間の把握方法が不適正として指導が行われました。[6]
公表事例では、本人が記録した勤務時間とパソコンの使用記録にずれがあり、実態を調べたところ、記録に表れていなかった残業や割増賃金の不足が確認されました。この事業場では、管理者が翌朝に記録の差を確認する運用へ改め、労働時間の削減と法令違反の解消につなげています。[7]
勤務記録と客観的な記録に差が出た場合は、差の理由と実際の業務を確かめることが、未払いと長時間労働の是正につながります。厚労省は、11月の「過重労働解消キャンペーン」で重点的な監督指導を行う方針です。[6・7]
出典
[1]国税庁・財務省「消費税率引下げ特設サイト」(2026年9月15日)
特設サイト
[2]国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」リーフレット(2026年9月15日掲載、資料表記:2026年9月)
リーフレットPDF
[3]国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」パンフレット(2026年9月15日掲載、資料表記:2026年9月)
パンフレットPDF
[4]国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(2026年9月15日掲載、資料表記:2026年9月)
Q&A PDF
[5]TBSテレビ「食料品消費税1%へ税制改正大綱を閣議決定 中・低所得者への給付も盛り込む 財源確保策は持ち越し…片山財務大臣は『赤字国債に頼らない』」(2026年9月15日18:45)
TBS NEWS DIGの記事
[6]厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果を公表します」(2026年9月15日)
発表本文
[7]厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果を公表します」添付資料(2026年9月15日。監督指導事例は資料8ページ)
集計・事例PDF
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