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2割特例はいつまで?終了後どうなる|個人事業主の3割特例と法人の選択肢

フリーランスや小規模な会社の消費税負担を軽くしてきたインボイス制度の「2割特例」が、いよいよ終了の時期を迎えます。個人事業主は令和8年分(2026年分)の申告が最後、法人は2026年9月30日を含む課税期間(通常の1年決算法人では、原則として同日を含む事業年度)が最後です。この記事では、2026年7月25日時点の国税庁・財務省の公表資料に基づき、終了時期の正確な考え方、個人事業主限定で新設された「3割特例」、簡易課税の届出期限の特例、買い手側の変更点までを整理します。なお、税制は今後の改正で変わる可能性があります。

この記事の結論

2割特例は延長されず、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む課税期間で終わります。個人事業主は令和8年分(2026年1〜12月)が最後で、法人は2026年9月30日を含む課税期間までとなり、通常の1年決算法人では原則として同日を含む事業年度が最後となるため、決算月によって終了時期が異なります。令和8年度税制改正では、個人事業主に限り令和9年分・令和10年分の納付税額を売上税額の3割にできる「3割特例」が設けられ、簡易課税制度へ移りやすくする届出の特例(円滑な移行措置)も創設されました。一方、法人に後継の特例はなく、簡易課税か本則課税を選ぶことになります。買い手側では、免税事業者などからの仕入れについて控除できる割合が2026年10月1日から段階的に縮小します。

  • 個人事業主:令和8年分で2割特例が終了。令和9年分・令和10年分は「3割特例」を選べる(事前の届出は不要)
  • 法人:3割特例は使えない。簡易課税(届出が必要・届出時期の特例あり)か本則課税を選ぶ
  • 買い手側:免税事業者などからの仕入れの控除割合が2026年10月1日に80%から70%へ。その後50%・30%と縮小し2031年10月に控除不可へ

重要ポイント

  • 「2026年9月30日で全員一斉に終了」ではありません。9月30日を含む課税期間まで使えるため、個人は2026年末まで、法人は決算月により2027年8月末までのケースがあります。
  • 3割特例は個人事業主だけの措置です。法人は決算月ごとの終了時期を確認し、次の課税方式を早めに検討する必要があります。
  • 簡易課税の届出は原則「適用したい課税期間が始まる前日まで」ですが、2割特例・3割特例を適用した翌課税期間に限り、申告期限までの届出で間に合う特例があります。
  • 特例終了で納税額が増えると、翌期から中間申告(国税部分48万円超で必要)が新たに発生する場合があります。

読者別影響

① 免税から課税に転換した個人事業主:令和8年分の申告(期限は2027年3月31日)が2割特例の最後です。令和9年分からは3割特例・簡易課税・本則課税の3択になり、本記事の比較表と判断材料で検討の入口をつかめます。

② 同・法人:3割特例は使えません。表1で自社の最後の課税期間(事業年度)を確認し、翌期からの方式と簡易課税の届出期限を押さえてください。

③ 免税事業者と取引がある買い手側の課税事業者:2026年10月1日以降の仕入れは控除割合が70%に下がります。経理処理の切替と、取引先との価格の話し合い方に注意が必要です。

2割特例はいつまで使える?

令和5年10月1日〜令和8年9月30日の日を含む課税期間までです。個人事業主は令和8年分(2026年分)の申告が最後、法人は2026年9月30日を含む課税期間(通常は同日を含む事業年度)が最後です。

2割特例は、正式には「小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置」といい、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった小規模事業者について、納付税額を売上税額の2割にできる制度です(所得税法等の一部を改正する法律〔平成28年法律第15号〕の附則で規定)。事前の届出は不要で、申告書に適用する旨を記載して選択します。

個人事業主は令和8年分(2026年分)の申告まで

国税庁の2割特例特設ページによると、個人事業主は令和5年分(10〜12月)から令和8年分まで、最大4回の確定申告で適用できます。令和8年分は2026年1月1日から12月31日までの1年分がまるごと対象で、年の途中(9月30日)で区切る必要はありません。最後の申告期限は原則2027年3月31日です。

法人は決算月で異なる(早見表)

法人は、2026年9月30日を含む課税期間まで適用できます。通常の1年決算法人では、原則として同日を含む事業年度が最後です。決算月ごとに整理すると次のとおりです。

表1:2割特例の対象となり得る最後の課税期間(法人・決算月別、2026年7月25日時点)

決算月最後の課税期間(事業年度)その期末日
9月2025年10月1日〜2026年9月30日2026年9月30日
10月2025年11月1日〜2026年10月31日2026年10月31日
11月2025年12月1日〜2026年11月30日2026年11月30日
12月2026年1月1日〜2026年12月31日2026年12月31日
1月2026年2月1日〜2027年1月31日2027年1月31日
2月2026年3月1日〜2027年2月28日2027年2月28日
3月2026年4月1日〜2027年3月31日2027年3月31日
4月2026年5月1日〜2027年4月30日2027年4月30日
5月2026年6月1日〜2027年5月31日2027年5月31日
6月2026年7月1日〜2027年6月30日2027年6月30日
7月2026年8月1日〜2027年7月31日2027年7月31日
8月2026年9月1日〜2027年8月31日2027年8月31日

※課税期間を短縮していない通常の1年決算で、各月末を決算日とする法人の例です。設立初年度、決算期変更、変則決算、課税期間短縮の場合は異なります。申告期限は原則として期末日から2か月以内(申告期限の延長特例を受ける法人を除く)です。
(根拠:国税庁「2割特例 特設ページ」「令和8年度税制改正特集」の適用期間の定義・3月決算法人の例示から作成。確認日2026年7月25日)

このように、最も早い9月決算では2026年9月30日、最も遅い8月決算では2027年8月31日まで対象期間が続きます。「9月末で終わり」と一律に考えると誤解のもとになります。

令和8年度税制改正で決まったこと

2割特例そのものは延長されず、代わりに個人事業主限定の3割特例と、簡易課税へ移りやすくする届出の特例が設けられました。買い手側の経過措置は2年延長のうえ組み替えられました。

令和8年度税制改正は、2025年12月19日に与党の税制改正大綱が決定され、12月26日に政府の「令和8年度税制改正の大綱」が閣議決定、2026年3月31日に改正法が成立という経過をたどりました。この改正法が「所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)」で、2026年3月31日に成立し官報で公布されています。インボイス関係の主な内容は次の4点です。

  1. 2割特例は予定どおり終了(延長なし)
  2. 個人事業者に限り、令和9年分・令和10年分の申告で納付税額を売上税額の3割にできる「3割特例」を新設
  3. 2割特例・3割特例から簡易課税制度へ移る際の届出期限を緩和する「円滑な移行措置」を創設
  4. 買い手側の経過措置(いわゆる8割控除)は適用期限を2年延長したうえで、控除割合を70%・50%・30%へ段階的に見直し(7・5・3割控除)

詳細は国税庁のインボイス制度特設サイト「令和8年度税制改正特集」にまとめられています。

新しい「3割特例」とは?対象と計算方法

インボイス登録を機に免税事業者から課税事業者になった個人事業主が、令和9年分・令和10年分の2年分に限り、納付税額を売上税額の3割にできる特例です。法人は対象外で、事前の届出は不要です。

適用要件と対象外になる場合

国税庁「令和8年度税制改正特集」によると、主な要件は次の3つです。

  • 個人事業者であること
  • 基準期間(適用を受ける年の2年前。令和9年分なら令和7年、令和10年分なら令和8年)の課税売上高が1,000万円以下であること
  • インボイス発行事業者の登録を受けていること

このほか国税庁の適用可否フローチャートやインボイスQ&A問115-2では、特定期間(前年1〜6月)の課税売上高(給与等支払額での判定も可)が1,000万円以下であること、課税期間を短縮していないこと、相続により課税事業者となる課税期間でないこと、調整対象固定資産や高額特定資産の取得により事業者免税点制度(小規模事業者の納税義務を免除するしくみ)を適用できない課税期間でないこと(建物や高額な設備などを取得した場合が該当することがあります)なども条件として示されています。法人のほか、インボイス発行事業者でない課税事業者や、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える方など、インボイス制度と関係なく課税事業者となる方も対象外です。要件は年ごとに判定するため、令和9年分は使えて令和10年分は使えない(またはその逆の)ケースもあります。

計算方法と手続き

計算は「売上げの消費税額 −(売上げの消費税額 × 70%)= 納付する税額」、つまり売上税額の3割を納めるしくみです。3割特例による消費税額の計算上は、仕入税額を実額で集計する必要がなく、仕入れに係るインボイスの保存も要件とされません。ただし、これは消費税の計算に関する取り扱いであり、所得税など他の税法に基づく帳簿や書類の保存義務は別途あります。手続きも2割特例と同じく、事前の届出は必要なく、確定申告書に適用を受ける旨を付記するだけで選択できます(国税庁インボイスQ&A問114-2で確認)。

なお、法人には3割特例に相当する後継措置はありません。最後の課税期間の翌期からは、本則課税(一般課税)か簡易課税での申告になります。

終了後の選択肢を比較する:本則課税・簡易課税・3割特例

終了後の選択肢は、本則課税・簡易課税(届出が必要)・3割特例(個人のみ)の3つです。同じ前提で並べると納付税額の違いがイメージできます。

3つの方式のしくみは次のとおりです。

  • 本則課税(一般課税):売上税額から、実際の課税仕入れにかかる消費税額(原則インボイスの保存が必要)を差し引いて計算
  • 簡易課税:消費税法に基づく制度で、売上税額に事業区分ごとのみなし仕入率(第1種90%〜第6種40%)を掛けた額を仕入税額とみなして計算。基準期間の課税売上高5,000万円以下で、届出が必要
  • 3割特例:売上税額×30%を納付(個人のみ・令和9年分と令和10年分)

表2:令和9年分(2027年)の納付税額の比較例(個人事業主・消費税・地方消費税を合計した概算)

課税方式納付税額の計算式(円)納付税額(概算)
本則課税660,000 − 264,000約39.6万円
簡易課税(第5種・みなし仕入率50%)660,000 −(660,000×50%)約33.0万円
3割特例660,000 × 30%約19.8万円
(参考)2割特例=令和8年分まで660,000 × 20%約13.2万円

前提条件:令和9年分(2027年1〜12月)。単一事業のサービス業(簡易課税では第5種)を営む個人事業主。課税売上高は税抜660万円ですべて標準税率10%、売上返品・値引きなし。課税仕入れは税抜264万円ですべて標準税率10%、インボイス保存あり(免税事業者からの仕入れなし)。この例では「控除対象仕入税額÷売上税額」は40%(26.4万円÷66万円)。売上税額66万円は消費税と地方消費税の合計(10%)による概算です。端数処理:実際の申告では課税標準額の千円未満切捨てのうえ、国税7.8%と地方消費税(国税額の22/78)に分けて計算し、それぞれ百円未満切捨て等の処理を行うため、上記の概算とは差が生じます。還付や貸倒れ等の調整は考慮していません。
(根拠:国税庁「令和8年度税制改正特集」の各方式の計算方法から編集部作成。確認日2026年7月25日)

判断の入口として、次の3点を確認してみてください。

  1. 本則課税との比較:3割特例の納付税額は売上税額の30%なので、控除対象となる仕入税額が売上税額の70%を超える場合は、本則課税のほうが3割特例より有利になる可能性があります。ただし、給与や社会保険料、非課税仕入れ、インボイスのない仕入れなどは、会計上の経費であっても仕入税額控除にそのまま反映されません。単純な経費率では判断できない点に注意してください。
  2. 簡易課税との比較:単一の事業区分で、単年度の納付税額だけを標準的に計算した場合、みなし仕入率の高い第1種(卸売業90%)・第2種(小売業など80%)は簡易課税のほうが納付税額が少なくなるのが基本です。第3種(製造業・建設業など70%)は3割特例と同水準、第4種〜第6種(飲食店業・サービス業・不動産業など)は3割特例のほうが少なくなるのが基本です。ただし簡易課税は原則2年間の継続適用が必要で、複数の事業を営む場合や将来の仕入構成によって結論は変わります。「必ず有利」と言い切れるものではありません。
  3. 還付の可能性:多額の設備投資などで仕入れの消費税額が売上げの消費税額を上回る場合、本則課税なら還付が生じ得ますが、3割特例では通常還付は生じないと国税庁も案内しています。簡易課税も同様に還付は生じません。

ご注意:実際に有利な方式は、業種、仕入れの内容、設備投資の予定、複数事業の有無などによって異なります。簡易課税のように届出後一定期間は変更できない制度もあるため、個別の判断は税理士または税務署にご確認ください。

簡易課税を選ぶなら:届出の原則と「円滑な移行措置」

届出は原則「適用したい課税期間が始まる前日まで」ですが、2割特例・3割特例を適用した翌課税期間に限り、その申告期限までの届出で間に合う特例があります。

簡易課税制度を受けるには「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要で、原則は適用を受けようとする課税期間の初日の前日までです。この原則だけを見て「2027年から簡易課税にするなら2026年12月31日までに届出が必須」と説明されることがありますが、令和8年度税制改正で次の特例(円滑な移行措置)が設けられました。

  • 2割特例または3割特例の適用を受けた翌課税期間に簡易課税を受けようとする場合は、その課税期間の申告期限までに届出書を提出すれば、その課税期間から簡易課税を適用できます
  • 個人事業主なら「その年の申告期限=翌年3月31日(土日の場合は翌月曜日)」までです。たとえば令和8年分で2割特例を適用した人が令和9年分から簡易課税にする場合、届出は令和9年分の申告期限(原則2028年3月31日)までで間に合います
  • 2割特例を適用した課税期間の翌課税期間が令和8年9月30日以前に終了する場合は、その課税期間の末日までです
  • 申告期限の延長特例を受ける法人などは、延長された期限が届出期限になります
  • 簡易課税は選択したら原則2年間は継続適用が必要です

国税庁の例では、3月決算法人が令和9年3月期に2割特例で申告した場合、令和10年3月期から簡易課税にする届出は本来2027年3月31日まで(改正法が想定する原則)のところ、申告期限の2028年5月31日まで提出できるとされています。

ただし、この特例は「2割特例・3割特例を適用した課税期間の課税期間」に限られます。たとえば最後の年に基準期間の課税売上高が1,000万円を超えて2割特例を適用できなかった場合や、本則課税で申告した場合の翌課税期間には使えず、原則どおり前日までの届出が必要です。自分が特例の対象かどうか不確かな場合や、簡易課税にする方針がすでに固まっている場合は、原則の期限に間に合うよう早めに提出しておくほうが確実です。

買い手側への影響:8割控除は「7・5・3割控除」へ

免税事業者などインボイスのない相手からの仕入れについて、控除できる割合が2026年10月1日から70%になり、その後2年ごとに50%・30%へ縮小、2031年10月に控除できなくなります。

インボイス発行事業者以外(免税事業者や登録していない事業者、消費者など)からの課税仕入れは、本来仕入税額控除ができませんが、経過措置として一定割合の控除が認められています。令和8年度税制改正では、この経過措置の適用期限が2年延長され、控除割合が見直されました(改正前は2026年10月から3年間50%、その後0%の予定でした)。

表3:免税事業者等からの課税仕入れに係る仕入税額控除の経過措置(控除できる割合・2026年7月25日時点)

課税仕入れを行う期間控除できる割合
2023年10月1日〜2026年9月30日80%
2026年10月1日〜2028年9月30日70%
2028年10月1日〜2030年9月30日50%
2030年10月1日〜2031年9月30日30%
2031年10月1日以降控除不可(0%)

(根拠:国税庁「令和8年度税制改正特集」。確認日2026年7月25日)

この経過措置を受けるには、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等の保存に加え、経過措置の適用を受ける旨(「80%控除」「7・5・3割控除」の対象である旨)を記載した帳簿の保存が必要です。2026年10月1日をまたぐ期間は、仕入れの日付によって80%と70%が混在するため、会計ソフトの税区分設定の切替時期に注意してください。

大口仕入れがある場合の上限:同じ一つの相手(インボイス発行事業者以外)からの課税仕入れの合計額(税込)が年または事業年度で1億円(改正前は10億円)を超える場合、超えた部分にはこの経過措置を適用できません。この上限は令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。小規模な事業者どうしの取引では該当しないケースが大半ですが、大口の外注がある場合は自社の課税期間の開始日とあわせて確認してください。

終了前後の注意点:中間申告と取引価格の見直し

特例終了で納税額が増えると翌期から中間申告が発生する場合があります。また、控除割合の低下を理由に免税事業者への支払額を一方的に引き下げることには注意が必要です。

中間申告:国税庁タックスアンサーNo.6609によると、直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含まない国税部分)が48万円を超えると、中間申告・納付が必要になります(税額に応じて年1回・3回・11回)。2割特例の終了で年間の納税額が増えると、その翌期から中間申告の対象になる可能性があり、納税のタイミングが前倒しで増えます。月々の売上から消費税相当額を取り分けておくなど、資金繰りの計画に織り込んでおきましょう。

取引価格の見直し:買い手側の控除割合が下がるからといって、免税事業者への支払額を機械的・一方的に引き下げてよいわけではありません。価格を見直す場合は当事者間の十分な協議が必要で、その方法や内容によっては、独占禁止法や取適法(正式名称「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」。2026年1月1日に旧下請法から改正・施行)上問題となるおそれがあります。財務省・公正取引委員会などが連名で公表している「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」(令和8年1月30日改正)では、仕入税額控除ができないことを理由とする取引価格引下げの進め方や、価格据置きの代わりに協賛金などの負担を求める行為が優越的地位の濫用として問題になり得る場合の考え方が示されています。売り手側(免税事業者)も、このQ&Aを交渉の際の参考にできます。取適法で禁止される減額や、協議に応じない一方的な代金決定については、『下請法は「取適法」へ|2026年1月施行で何が変わった?』で詳しく解説しています。

表4:2割特例終了に向けた主なスケジュール(個人事業主中心・2026年7月25日時点)

時期主な出来事・確認すること
2026年10月1日買い手側の控除割合が80%→70%に。帳簿・会計ソフトの税区分切替
2026年12月31日個人の2割特例対象の最終年(令和8年分)が終了。令和8年分で2割特例を適用しない個人が令和9年分から簡易課税にする場合の届出期限(原則)
2027年3月31日令和8年分の確定申告期限=個人が2割特例を使う最後の申告
2027年(令和9年分)3割特例・簡易課税・本則課税から選択。3割特例は申告時に選択可
2028年3月31日令和9年分の確定申告期限。令和8年分で2割特例を適用した個人が令和9年分から簡易課税を選ぶ場合の届出期限(円滑な移行措置)
法人表1で自社の最後の課税期間を確認し、翌期の方式と届出期限(原則は期首の前日。円滑な移行措置の対象なら申告期限)を確認

(根拠:国税庁「令和8年度税制改正特集」・同リーフレット・タックスアンサーNo.6609から編集部作成。確認日2026年7月25日)

よくある質問(FAQ)

Q1. 2割特例は2026年9月30日で全員一斉に終わりますか?
いいえ。「2026年9月30日を含む課税期間まで」が対象です。個人事業主は2026年12月31日までの令和8年分が丸ごと対象です。法人は通常の1年決算なら同日を含む事業年度が最後で、決算月により期末が2026年9月30日〜2027年8月31日の間で異なります(表1参照)。

Q2. 個人事業主は2026年分の確定申告まで使えますか?
はい。令和8年分(2026年1〜12月)が最後で、申告期限は原則2027年3月31日です。年の途中で期間を区切る必要はなく、2026年10〜12月分だけを別計算する必要もありません。

Q3. 新しい3割特例を使うために事前届出は必要ですか?
不要です。国税庁の令和8年度税制改正特集の資料では、事前の届出などは必要なく、確定申告書の所定欄に適用を受ける旨を記載するだけで適用できるとされています。ただし要件(基準期間の課税売上高1,000万円以下など)は令和9年分・令和10年分それぞれで判定します。

Q4. 法人は3割特例を使えますか?
使えません。3割特例は個人事業者限定の措置で、法人は一般課税(本則課税)か簡易課税で申告することになります。簡易課税を選ぶ場合、2割特例を適用した翌課税期間なら申告期限まで届出できる円滑な移行措置があります。

Q5. 簡易課税の届出は2026年12月31日までに必要ですか?
場合によります。令和8年分で2割特例を適用した個人事業主が令和9年分から簡易課税にするなら、円滑な移行措置により令和9年分の申告期限(原則2028年3月31日)まで届出できます。一方、令和8年分で2割特例を適用していない(できなかった)場合は原則どおり2026年12月31日までです。自分が特例の対象か不確かなときは、原則の期限を目安に早めの提出が確実です。

Q6. 3割特例と簡易課税はどちらが有利ですか?
単一の事業区分で単年度の納付税額だけを標準的に計算すると、みなし仕入率90%・80%の第1種・第2種は簡易課税のほうが低く、70%の第3種は同水準、第4種〜第6種は3割特例のほうが低くなるのが基本です。ただし簡易課税には原則2年間の継続適用があり、複数事業や設備投資(3割特例・簡易課税では通常還付が生じません)の有無で結論が変わります。本文の比較表と注意点もあわせてご覧ください。

編集部よりの問いかけ

あなたの事業では、令和9年分(2027年)からどの方式を検討していますか。「この業種の計算例も見たい」「届出書の書き方を知りたい」などのご要望があれば、今後の記事づくりの参考にしますので、ぜひコメントでお聞かせください。

出典一覧(いずれも確認日:2026年7月25日)

  1. 国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス経過措置の見直し等)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice-review/index.htm
  2. 国税庁「令和8年度税制改正特集」リーフレット(印刷用PDF) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice-review/pdf/0026004-099-01-2.pdf
  3. 国税庁「2割特例 特設ページ」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_2tokurei.htm
  4. 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」経過措置の章(問113〜117-3、令和8年4月追加・改訂分を含む) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-15.pdf
  5. 国税庁 タックスアンサーNo.6609「中間申告の方法」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6609.htm
  6. 国税庁 タックスアンサーNo.6505「簡易課税制度」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6505.htm
  7. 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」(令和7年12月26日閣議決定) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.htm
  8. 財務省 広報誌「ファイナンス」令和8年4月号「特集 令和8年度税制改正(国税)等について」 https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202604/202604c.html
  9. 財務省・公正取引委員会ほか「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」(令和8年1月30日改正) https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.htmlhttps://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/20260130menzeiqa_1.pdf

※本記事は2026年7月25日時点の法令・公表資料に基づいています。税制は今後変更される可能性があります。実際の適用や有利不利の判断は個別の事情により異なるため、税理士または税務署にご確認ください。

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2026/7/21

下請法は「取適法」へ|2026年1月施行で何が変わった?発注・受注企業の実務を解説

※本記事は2026年7月22日時点の法令・公表情報に基づいています。 この記事の結論 2026年1月1日、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の改正法が施行され、法律名は「中小受託取引適正化法(通称:取適法・とりてきほう)」に変わりました。下請法が廃止されたのではなく、同じ法律が改正・改称されて続いています。主な変更点は5つです。①発注側・受注側の判定に資本金基準に加えて従業員基準(300人・100人)が追加、②荷主から運送事業者への「特定運送委託」が対象取引に追加、③価格協議に応じない・説明しないまま一方 ...

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