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年収の壁は結局いくら?【2026-2027年版】税と社会保険の全早見表

パート・アルバイトの働き方を左右してきた「年収の壁」は、2026年から2027年にかけて数字も仕組みも大きく動きます。本記事は2026年7月25日時点の一次資料(国税庁・厚生労働省など)に基づき、178万円・169万円・136万円・119万円・207万円という「税の壁」と、106万円・130万円という「社会保険の壁」を、1枚の早見表と時給からの逆算表で整理するまとめ記事です。同じ「壁」と呼ばれていても、誰の収入を、どの制度で見るのかはまったく別物です。なお、各制度は今後の改正等で変更される可能性があります。

この記事の結論

2026年7月25日時点の「年収の壁」は、税と社会保険に分けて考えるのが出発点です。税では、令和8年分から本人に所得税がかからないパート収入の目安が178万円になり、配偶者控除・扶養控除は136万円まで、配偶者特別控除は207万円まで段階的に続きます(国税庁)。社会保険では、106万円の壁(月額8.8万円の賃金要件)が2026年10月に撤廃予定で、適用対象企業では「週20時間」が実質基準になります(厚生労働省)。一方、130万円(19〜22歳は150万円)の扶養認定の壁は残りますが、2026年4月からは一定の条件下で労働契約を基に年収を見込む取り扱いが始まりました。

  • 税の壁(178万・169万・136万・119万・207万円)は令和8年分から適用。ただし住民税への反映は令和9年度分からで、1年遅れます
  • 社会保険で2026年10月に撤廃予定なのは月額8.8万円の賃金要件です。適用対象企業では「週20時間」が実質基準になり、企業規模要件は2027年10月から段階的に縮小されます(厚生労働省)
  • 130万円(大学生年代150万円)の扶養の壁は残るものの、2026年4月からは一定の条件を満たす場合に労働契約を基に判定する取り扱いが始まりました

重要ポイント

  • 「壁」には、社会保険への加入や扶養資格の喪失など一定の負担が大きく発生する崖型と、所得や控除額に応じて税負担が徐々に変化するスロープ型・課税開始型があります。スロープ型・課税開始型では、数万円の「超え」を過度に恐れる必要はありません。
  • 収入の数え方も制度ごとに違います。税は非課税の通勤手当を含めず、社会保険の加入判定は残業代・賞与・通勤手当を含めない「所定内賃金」で見ます。
  • ネット上には令和7年分の数字(160万・123万・約201万円)と令和8年分の数字(178万・136万・207万円)が混在した記事が残っています。本記事の数字は令和8年分(一部は令和8・9年分)です。
  • 最低賃金の上昇により、「いくらまで」より「週何時間まで」で考える時代に変わりつつあります。

読者別の影響

  • 配偶者の扶養内で働く方:最大の変化は社会保険です。2026年10月(予定)に月額8.8万円の賃金要件が撤廃され、勤務先が適用対象企業(現在は従業員51人以上)で、週20時間以上・学生でない・2か月を超える雇用見込みなどの要件を満たす場合に加入対象となります。企業規模要件は2027年10月以降、段階的に縮小されます。税は178万円まで本人の所得税がかからない目安となり、働ける幅は広がります。
  • 大学生年代(19〜22歳)の子とその親:健康保険の扶養は150万円未満に緩和済みです。親の税の控除は、子の給与収入159万円以下まで63万円の満額が続き、その後197万円まで段階的に縮小します。136万円は扶養控除から特定親族特別控除へ切り替わる地点で、満額が終わる地点ではありません。
  • 従業員50人以下の職場で働くパートの方:2027年10月から企業規模の基準が段階的に下がり、2035年10月には全企業が対象になります。数年単位で自分の職場がいつ対象になるかの確認を。
  • 扶養する側(年末調整をする方):2026年11月まで毎月の源泉徴収は従来どおりで、12月の年末調整で新しい控除額により1年分を精算します。家族の収入見込みの確認と申告書の記載が例年以上に重要です。

年収の壁 全体早見表【2026-2027年版】

まずは全体地図です。金額の大小ではなく「誰の収入を・どの制度で・超えるとどうなるか」で見ると、混乱がほどけます。

表1 年収の壁 全体早見表(令和8年分の税制・2026年度の社会保険/金額は年収ベース)

①誰の収入基準か②何に効くか③制度④超えるとどうなる(崖/スロープ/課税開始)⑤主な前提条件
106万円(月8.8万円)働く本人本人の社会保険加入厚生年金・健康保険(短時間労働者の賃金要件)崖(加入し保険料発生)。2026年10月撤廃予定→以後は適用対象企業で週20時間が実質基準 従業員51人以上・週20時間以上・2か月超の雇用見込み・学生でない
119万円働く本人本人の住民税(所得割)住民税課税開始型(超えた分に所得割がかかるようになる目安)令和8年分収入→令和9年度分住民税から。均等割は市区町村により別
130万円扶養されている本人本人の扶養資格健康保険・国民年金(被扶養者・第3号)崖(外れると国保・国民年金等の保険料)60歳以上・障害者は180万円。2026年4月から条件を満たす場合は労働契約ベースで判定
136万円配偶者・扶養親族扶養する人の配偶者控除・扶養控除所得税(住民税は控除額が別)配偶者:超えても207万円まで段階的な縮小が続く。16歳以上の扶養親族:原則ここで控除がなくなる(19〜22歳は特定親族特別控除に切り替わり、給与収入159万円以下まで63万円が続く) 合計所得62万円以下(給与のみの場合136万円以下)
150万円19〜22歳の家族本人(配偶者除く)本人の扶養資格健康保険の被扶養認定扶養認定日が2025年10月1日以降。年齢はその年12月31日時点で判定
169万円配偶者(働く本人)扶養する人の控除38万円の満額上限所得税(配偶者控除→配偶者特別控除)スロープ(超えても段階的に縮小するだけ)扶養する側の合計所得900万円以下(給与収入1,095万円以下)
178万円働く本人本人の所得税所得税課税開始型(超えた分に所得税がかかり始める目安)ほかに所得がないパート収入・令和8年分(2026年12月1日施行)
207万円配偶者配偶者特別控除の適用上限所得税配偶者の給与収入が207万円以下までは配偶者特別控除が最大3万円残り、207万円を超えるとゼロ(169万円超から段階的に縮小) 配偶者の合計所得133万円以下まで逓減適用

出典:国税庁「家族と税」(令和8年度版)・「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」、厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」ほか(いずれも2026年7月25日確認)

「税の壁」と「社会保険の壁」は別制度

同じ「年収の壁」でも、税と社会保険は所管も仕組みも収入の数え方も別で、片方を超えてももう片方には影響しません。

税の壁は、働く本人の所得税・住民税(国税庁・市区町村)と、扶養する家族側の控除の話です。スロープ型・課税開始型が中心で、基準を1円超えても年収全体に一気に課税されるわけではなく、世帯の手取りが急減するものではありません。社会保険の壁は、①自分が勤務先の厚生年金・健康保険に加入する基準と、②家族の扶養にとどまれる基準(被扶養者認定)の2種類で、こちらは崖型です。数え方も、加入判定の賃金には残業代・賞与・通勤手当・家族手当などを含めず、「年収106万円」はあくまで参考値とされています(政府広報オンライン)。

税の壁の中身――178万・136万・169万・207万・119万円

5つの数字は「本人の税」が1つ、「家族側の控除」が3つ、「住民税」が1つです。順に見ます。

178万円――本人に所得税がかかり始める目安(令和8年分)

国税庁の令和8年度版「家族と税」によると、パート収入が178万円以下でほかに所得がなければ所得税等はかかりません。内訳は給与所得控除(最低74万円)と基礎控除(最高104万円)で、2026年12月1日に施行され、令和8年分から適用される金額です。基礎控除104万円は合計所得132万円以下の場合の最高額(令和8・9年分)で、所得が多い方は控除が小さくなるため、あくまで「目安」です。実務上の注意として、2026年11月までの毎月の源泉徴収は従来どおりで、12月の年末調整で新基準により1年分を精算します(国税庁)。手取りの変化を実感するのは年末です。なお令和10年分以後は、物価の変化率を基準に2年ごとに見直すことが基本とされており、この数字は今後も動く前提で押さえてください。

136万円――配偶者控除・扶養控除に入れる上限

配偶者控除・扶養控除の対象となる家族の所得要件は合計所得62万円以下(改正前58万円)となり、給与収入だけなら136万円以下(改正前123万円以下)が判定基準です(国税庁)。136万円を超えても、配偶者は次の配偶者特別控除に自動的に切り替わるため、直ちに控除がゼロになるわけではありません。一方、16歳以上の扶養親族(子や親)は原則ここが上限です(19〜22歳は後述の例外があります)。

169万円と207万円――配偶者の控除は「崖」ではなく「スロープ」

国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」の数表によると、配偶者の給与収入169万円以下(合計所得95万円以下)までは38万円の控除が満額で続き、そこから段階的に縮小して、207万円(合計所得133万円)を超えるとゼロになります。この金額は、扶養する側の合計所得900万円以下(給与収入1,095万円以下)の場合で、900万円超では控除額自体が縮小します。つまり配偶者の収入が169万円や207万円を少し超えても、失うのは控除の一部だけです。ここで働き控えをする実益は、多くの場合大きくありません。

119万円――住民税は1年遅れで効いてくる

住民税(所得割)は総所得金額等45万円以下が非課税のため、パート収入119万円以下なら所得割はかからない目安です。ただし119万円以下でも、市区町村によっては均等割がかかる場合があります(国税庁)。さらに重要な注意が2点。この基準の住民税への適用は令和9年度分からで、2027年6月頃からの納付分に反映されます。また、所得税と住民税では控除や非課税基準が異なるため、所得税がかからなくても住民税がかかる場合があります。住民税の詳細はお住まいの市区町村窓口でご確認ください。

社会保険の壁――106万円の撤廃予定と、残る130万円

社会保険の壁は「自分が加入する壁」と「家族の扶養にとどまる壁」の2種類に分かれ、動き方が正反対です。

106万円の壁はいつなくなりますか?

厚生労働省は、月額8.8万円の賃金要件を2026年10月1日に撤廃する予定と案内しています。撤廃後も企業規模などの要件は残り、適用対象企業では週20時間以上かどうかが実質的な基準になります。

根拠は、2025年6月13日に成立した「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」(令和7年年金制度改正法)です。撤廃の時期は「法律の公布から3年以内で、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断」とされ、2026年4月1日以降は全都道府県で最低賃金が1,016円以上となったこと等を踏まえ、令和8年10月1日を施行日とする政令を別途制定する手続きが進められています。厚生労働省のリーフレットも撤廃を令和8年10月1日(予定)と明記しています。本記事では、施行が確定するまで「予定」と表記します。

撤廃後も、加入にはほかの要件が残ります。勤務先が適用対象企業(現在は従業員51人以上)であることに加え、週の所定労働時間20時間以上(残業時間は原則含みません)、学生ではないこと(休学中・定時制・通信制などは加入対象)、2か月を超える雇用の見込みが必要です。企業規模の基準は、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上、2035年10月には10人以下の企業も対象へと段階的に縮小されます(厚生労働省)。また、残業などで一時的に週20時間以上になっても直ちには加入せず、その状態が2か月を超えて続く場合に加入対象となることがあります。

130万円の壁は残りますか?

はい、130万円(対象により150万・180万円)の基準は残ります。ただし2026年4月からは、一定の条件を満たす場合に労働契約を基に年収を見込む取り扱いが始まり、一時的な残業では外れにくくなりました。

健康保険などの被扶養者に認定されるのは年間収入130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)などの場合で、超えると配偶者の健康保険や国民年金第3号被保険者から外れ、自分で保険料を負担します。厚生労働省は2025年10月1日付の通知(保保発1001第3号・年管管発1001第3号)で取り扱いを整理し、2026年4月1日以降の認定では、労働契約で定められた賃金(時給や所定労働時間・所定労働日数のほか、諸手当や賞与も含みます)から見込まれる年間収入が基準額未満で、かつ、ほかの収入が見込まれないなど一定の条件を満たす場合に、労働契約の内容を基に認定する取り扱いが始まりました。シフト制などで労働契約から年間収入を判定できない場合や給与以外の収入がある場合は、従来どおり給与明細書や課税証明書等で判定します。また、この取り扱いの下では、想定外の臨時収入も社会通念上妥当な範囲であれば、それだけを理由に扶養の取り扱いは変わりません。

大学生年代(19〜22歳)は150万円未満に

扶養認定日が2025年10月1日以降の場合、19歳以上23歳未満(被保険者の配偶者を除く)の年間収入要件は130万円未満から150万円未満に変わりました。年齢は認定日が属する年の12月31日時点で判定し、学生かどうかは問われません(日本年金機構)。税の側では、親の控除は子の給与収入136万円以下で63万円(特定扶養親族)、136万円超159万円以下では特定親族特別控除に切り替わって同じ63万円が続き、その後197万円まで段階的に縮小します(国税庁)。つまり税だけなら159万円まで親の控除は満額ですが、健康保険の扶養にとどまるには150万円未満が先に効いてきます。

【逆算早見表】時給×週労働時間――金額の壁から「時間の壁」へ

最低賃金の上昇で、金額基準は実質的な意味を失いつつあります。厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」によると、令和7年度は全国加重平均1,121円(66円引上げ)で、最も低い高知・宮崎・沖縄でも1,023円と、初めて全都道府県で1,000円を超えました。

表2 時給×週労働時間の月収早見表(令和7年度地域別最低賃金ベース/単位:円)

時給\週の所定労働時間10時間15時間20時間25時間
1,023円(令和7年度の最低額)44,33066,49588,660110,825
1,100円47,66671,50095,333119,166
1,121円(全国加重平均)48,57672,86597,153121,441
1,226円(東京都)53,12679,690106,253132,858

計算例(計算式・前提・端数処理):月収=時給×週所定労働時間×52週÷12か月(円未満切捨て)。例:1,023円×20時間×52÷12=88,660円、年収換算(月収×12)は約106.4万円。前提は残業代・賞与・通勤手当を含まない所定内賃金で、対象年度は令和7年度の地域別最低賃金です。

出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(2026年7月25日確認)

表の太字(週20時間)を見ると、令和7年度の最低額の時給でも月収は88,660円と、月額8.8万円の賃金要件を自動的に満たします。金額基準が先に「達成」されてしまうこと——これが賃金要件撤廃の背景であり、適用対象企業で働く場合は、これから週20時間という時間のラインで考えるのが現実的です。なお令和7年度は発効日が都道府県ごとに分散し、秋田・群馬は2026年3月発効でした。令和8年度の改定が決まり次第、本表は更新します。

自分に関係する壁はどれ?1分チェックリスト

全員がすべての壁を意識する必要はありません。立場ごとに、見るべき壁は次のとおりです。

  • 配偶者の扶養内で働く方:社会保険は「週20時間」(賃金要件の撤廃後、適用対象企業では実質ここが基準になる予定)と「130万円」(扶養資格)の2つ。税は「169万円/207万円」(配偶者の控除)と「178万円」(自分の所得税)、「119万円」(住民税・令和9年度分から)です。
  • 大学生年代(19〜22歳)とその親:まず「150万円未満」(健康保険の扶養)。税は、親の控除63万円の満額が子の給与収入「159万円」以下まで続き(136万円で扶養控除から特定親族特別控除に切り替わります)、その後197万円まで段階的に縮小します。学生は社会保険の短時間加入の対象外ですが、休学中・定時制・通信制などは対象です。
  • 単身の方・ご自身が世帯主の方:扶養系の壁(130万・136万・150万・169万・207万円)は関係ありません。「178万円」「119万円」と、勤務先での「週20時間」だけ意識すれば十分です。
  • 60歳以上の方:扶養認定は180万円未満が基準です。年金を受け取りながら働く場合の在職老齢年金は別制度のため、本記事では扱いません。

2026〜2027年の変更スケジュール

いつ・何が変わるかを時系列で押さえておくと、働き方の相談がしやすくなります。

表3 年収の壁に関わる変更スケジュール(2026〜2027年度)

時期変わること状態
2026年4月1日被扶養者認定で、条件を満たす場合に労働契約ベースの判定を開始/全都道府県で最低賃金1,016円以上に 施行済み
2026年10月1日賃金要件(月額8.8万円)の撤廃(企業規模要件は継続)/新たに加入する短時間労働者向けの保険料負担軽減の特例(3年間)予定
2026年12月1日令和8年度税制改正の施行(178万円等を令和8年分に適用・年末調整で精算) 公布済み・施行前
2027年6月頃令和9年度分住民税から119万円の目安を反映 公布済み・施行前
2027年10月1日企業規模要件が36人以上に(以後2029年・2032年・2035年と段階拡大) 公布済み・施行前
毎年夏〜秋地域別最低賃金の改定(目安の取りまとめ後、秋以降に順次発効)毎年の運用

FAQ(よくある質問)

Q1. 通勤手当や交通費って「年収の壁」の計算に入るの?
制度で異なります。税の壁には非課税の通勤手当は入りません。社会保険の加入判定の月額8.8万円も、残業代・賞与・通勤手当・家族手当などを含まない金額で、106万円という年収はあくまで参考値です(政府広報オンライン)。一方、130万円などの被扶養者認定では通勤手当も含めて数えるのが一般的なため、加入先の保険者(協会けんぽ・健康保険組合)の基準をご確認ください。

Q2. 学生のバイトが週20時間を超えたら社会保険に入るの?
短時間労働者の加入要件には「学生ではないこと」があり、賃金要件の撤廃後も残ります。ただし休学中・定時制・通信制の方などは加入対象です(厚生労働省)。健康保険の扶養(150万円未満)や親の税の控除は別の仕組みで、学生でも収入次第で影響します。

Q3. パートを掛け持ちしていたら、収入は合算されるの?
税の壁はすべての勤務先の給与を合算して判定します。被扶養者認定(130万円など)も収入全体で見ます。一方、社会保険の加入判定(週20時間など)は勤務先ごとに見るのが原則です。掛け持ちは取り扱いの判断が分かれやすいため、年金事務所や加入先の保険者への確認をおすすめします。

Q4. 106万円の壁がなくなったら、保険料の負担もなくなるの?
逆です。なくなるのは「月額8.8万円未満なら加入対象外」という基準のほうで、勤務先が適用対象企業で週20時間以上などの要件を満たせば、賃金額にかかわらず加入し、保険料負担が生じます。その分、厚生年金の上乗せや傷病手当金などの保障が付きます。また従業員50人以下の企業などで新たに加入対象となる標準報酬月額12.6万円以下の方には、事業主の追加負担により3年間保険料負担を軽減できる特例が設けられます(厚生労働省)。

Q5. 夫(妻)の会社の家族手当・配偶者手当はどうなるの?
会社ごとの賃金規程で決まるため、税や社会保険の改正で自動的には変わりません。「103万円以下」など以前の基準のままの会社もあり、国も「年収の壁・支援強化パッケージ」の中で配偶者手当への対応を掲げています(厚生労働省)。勤務先の規程を確認しましょう。

Q6. 「壁」っていつの収入で判定されるの?
税は1〜12月の暦年の収入で判定し、住民税はその翌年度に課税されます。被扶養者認定は過去ではなく今後1年間の見込み収入で、2026年4月からは一定の条件を満たす場合に労働契約の内容を基に判定します。社会保険の加入判定は月額の所定内賃金と週の所定労働時間で見ます。同じ「年収」でも、見る期間と数え方が制度ごとに違う点にご注意ください。

編集部よりの問いかけ

あなたやご家族は、「壁」を意識して働く時間を調整した経験がありますか。2026年10月以降は「いくら稼ぐか」より「週何時間働くか」で考える場面が増えそうです。職場でどんな変化や戸惑いがあるか、コメントやお問い合わせフォームからぜひお聞かせください。

本記事は2026年7月25日時点の公表資料に基づく一般的な情報です。個別の税額や申告の判断は税理士または税務署に、社会保険の加入・扶養の個別判断は社会保険労務士・年金事務所・加入先の保険者に、家計全体の設計はCFP・ファイナンシャル・プランナー等にご確認ください。各制度は今後変更される可能性があります。

出典一覧(2026年7月25日確認)

  1. 国税庁「家族と税」(パンフレット「暮らしの税情報」令和8年度版):https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_2.htm
  2. 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」:https://www.nta.go.jp/users/gensen/2026kiso/index.htm
  3. 国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/2026kaisei.pdf
  4. 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html
  5. 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html
  6. 厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト「社会保険加入の要件」:https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/jugyouin/taisho/
  7. 厚生労働省リーフレット「短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント」:https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001633788.pdf
  8. 日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」:https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202508/0819.html
  9. 厚生労働省通知「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて」(保保発1001第3号・年管管発1001第3号、2025年10月1日付):https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9348&dataType=1&pageNo=1(厚生労働省法令等データベース)/同取扱いに係るQ&A(2025年10月1日事務連絡):https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251006S0070.pdf
  10. 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html
  11. 政府広報オンライン「社会保険の適用が拡大!従業員数51人以上の企業は要チェック」:https://www.gov-online.go.jp/article/202209/entry-10068.html

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2026/7/17

2026年改正地域交通法で何が変わる?交通空白・共同運行・自治体の役割を解説

路線バスの減便・廃止が全国で相次ぐなか、「交通空白」の解消を正面から掲げる改正地域交通法が2026年6月に成立・公布されました。本記事では、法律で何が決まり、いつから、誰に、どのような影響があるのかを、2026年7月17日時点の一次資料に基づいて解説します。 この記事の結論 2026年6月3日、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律」(改正地域交通法)が成立し、6月10日に公布されました(令和8年法律第35号)。柱は、休廃止のおそれがあるバス路線などの「交通空白」に対し、市町村など ...

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