
8月30日に確認したいのは、家計の所得・金融資産を示す5年に一度の統計、東京電力エナジーパートナーの10月分電気料金、そして中小企業向け省力化投資補助金の採択結果です。
家計統計では金融資産の平均が増えましたが、平均と中央値、資産を持たない世帯を含むかどうかで見え方が大きく変わります。電気料金は政府支援の縮小と燃料費調整が重なり、東京電力の平均モデルで前月より432円増えます。補助金は1,176者が「交付候補者」に選ばれましたが、採択と入金は同じではありません。
今日のポイント
- 2024年の総世帯の年間収入は593.7万円で、2019年比6.3%増
- 金融資産は平均1,527.2万円。保有世帯の中央値は728万円、ゼロ世帯を含む参考中央値は600万円
- 東京電力の10月分平均モデルは8,275円で、9月分より432円増
- 省力化投資補助金は1,841者の申請から1,176者を交付候補者に採択
金融資産は平均1,527.2万円、中央値の定義に注意
総務省が8月28日に公表した「令和6年全国家計構造調査」によると、単身世帯と二人以上世帯を合わせた総世帯の2024年の年間収入は593.7万円でした。2019年と比べて6.3%増えています。
年間収入は前年11月から当年10月までの税込収入です。今回公表されたのは、2026年現在の収入ではなく、2024年を対象にした調査結果である点に注意が必要です。
2024年10月末時点の金融資産残高は1世帯平均1,527.2万円で、2019年比19.3%増えました。この平均には、金融資産を保有していない世帯も含まれます。
一方、金融資産を保有する世帯だけで見た中央値は728万円で、金融資産ゼロの世帯を含めた参考中央値は600万円でした。金融資産150万円未満の世帯は25.7%です。
平均値は、一部の資産額が大きい世帯に引き上げられやすく、中央値とは性質が異なります。また、有価証券は2019年から143.3万円増え、2024年には金融資産全体の2割を超えました。
今回の数字だけで「一般的な世帯が自由に使えるお金を1,500万円持っている」「物価上昇を差し引いて暮らしが豊かになった」とは判断できません。家計を比べる際は、調査時点、対象世帯、金融資産ゼロの世帯を含むかをそろえて見る必要があります。
東京電力の10月分は平均モデルで432円増
東京電力エナジーパートナーが8月28日に公表した関東エリアの試算では、従量電灯B・30アンペア、月260キロワット時を使う平均モデルの10月分料金は8,275円です。9月分の7,843円から432円増えます。
内訳を見ると、政府の電気・ガス料金支援による低圧向け値引き単価は、9月分の1キロワット時当たり4.50円から、10月分は3.50円へ縮小します。
月260キロワット時なら、値引き縮小の影響は260円です。支援反映前のモデル料金も9,013円から9,185円へ172円増えるため、両方を合わせて432円増となります。
ただし、これは東京電力の特定プランと使用量によるモデルであり、全国一律の値上げ額ではありません。契約する小売会社、地域、プラン、実際の使用量によって請求額は変わります。
事業者向けの高圧についても、支援の値引き単価は1キロワット時当たり2.30円から1.80円へ縮小します。該当する企業は、自社の使用量と契約条件を分けて確認する必要があります。
省力化投資補助金、1,176者を交付候補者に採択
中小企業庁は8月28日、省力化投資補助金の一般型・第6回公募について、申請1,841者のうち1,176者を補助金交付候補者に採択したと発表しました。
この制度は、人手不足に悩む中小企業などによる設備導入やシステム構築を支援し、生産性向上や賃上げにつなげることを目的としています。
注意したいのは、今回の公表が「補助金交付候補者」の採択結果だという点です。採択された事業者は、交付申請の手引きや公募要領を確認して、次の手続きを進める必要があります。採択された時点で、補助金の交付や入金まで完了したと扱わないことが重要です。
第8回公募については、申請ポータルの受付開始が9月中旬の予定と案内されています。申請にはGビズIDプライムが必要で、取得には一定の期間を要するとされています。応募を検討する企業は、公式の公募要領とIDの準備状況を確認しておきましょう。
読者が確認しておきたいこと
- 家計資産を比較するときは、平均と中央値の違い、「金融資産ゼロの世帯を含むか」を確認する
- 電気料金は請求月と使用月、契約会社、プラン、使用量を自分の明細で確認する
- 補助金の採択事業者は、「交付候補者」の段階で必要な手続きを確認する
- 次回公募を検討する企業は、公式日程とGビズIDプライムの取得状況を確認する
まとめ
今回の3件は、数字の大きさだけで判断しないことが共通点です。
金融資産は平均と中央値の定義、電気料金はモデル条件と支援単価、補助金は採択後の手続き段階を分けて見る必要があります。家計と企業は、自分に当てはまる条件を公式資料で照合することが第一歩です。
出典
- 総務省統計局「令和6年全国家計構造調査の結果」(2026年8月28日公表)
https://www.stat.go.jp/data/zenkokukakei/2024/kekka.html - 総務省統計局「所得に関する結果、家計資産・負債に関する結果及び年間収入・資産分布等に関する結果 結果の要約」(2026年8月28日)
https://www.stat.go.jp/data/zenkokukakei/2024/pdf/youyaku0828.pdf - 東京電力エナジーパートナー「燃料費調整のお知らせ(2026年10月分)」(2026年8月28日確認)
https://www.tepco.co.jp/ep/private/fuelcost2/new/index-j.html - 東京電力エナジーパートナー「2026年10月分電気料金の燃料費調整等について」(2026年8月28日)
https://www.tepco.co.jp/ep/notice/pressrelease/2026/pdf/260828j0601.pdf - 中小企業庁・ミラサポplus「省力化投資補助金(一般型)第6回公募の補助金交付候補者を採択」(2026年8月28日)
https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/32507/ - 中小企業省力化投資補助金事務局「トップページ(一般型)」(2026年8月30日確認)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/
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