
iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度が、2026年12月1日に大きく変わります。2025年6月に成立した年金制度改正法(令和7年法律第74号)に基づく改正で、毎月の掛金の上限額(拠出限度額)が職業や企業年金の有無に応じて引き上げられ、加入できる年齢は現在の「働き方により60歳または65歳未満」から「70歳未満」に広がります。この記事では、厚生労働省・国税庁の一次資料に基づき、自分の掛金上限がいくらになるのか、60歳以降に加入できる条件、節税効果のめやす、必要な手続きと注意点を解説します。
この記事の結論
2026年12月1日から、iDeCoは「掛金の上限が上がり、70歳直前まで続けられる制度」に変わります。ただし増額は自動ではなく、自分での手続きが必要です。
- 施行日は2026年12月1日。新しい上限は2026年12月分の掛金(口座引き落としは2027年1月26日分)から適用されます。
- 企業年金のない会社員は月2.3万円→月6.2万円、自営業者などは国民年金基金と合わせて月6.8万円→月7.5万円に。専業主婦・主夫(第3号被保険者)は月2.3万円で据え置きです。
- 60歳以上70歳未満でも、iDeCoの加入歴・資産などの条件を満たし、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していなければ加入できます。
- 掛金は全額所得控除で、増額すれば所得税・住民税の軽減も増えます。ただし原則60歳まで引き出せない点と、受取時に課税される点(2026年1月からの「10年ルール」を含む)は変わりません。
重要事項の早見表
改正の骨子は次の表のとおりです。日付・金額はすべて厚生労働省の公表資料に基づきます。
| 項目 | 改正前(2026年11月分まで) | 改正後(2026年12月分から) |
|---|---|---|
| 施行日 | ― | 2026年12月1日(新上限での引き落としは2027年1月26日分から) |
| 加入できる年齢 | 60歳未満(自営業・主婦等)/65歳未満(会社員・公務員、任意加入者) | 条件を満たせば70歳未満まで |
| 自営業者など(第1号・任意加入) | 月6.8万円(国民年金基金の掛金・付加保険料と合算) | 月7.5万円(同じく合算) |
| 会社員(企業年金なし) | 月2.3万円 | 月6.2万円 |
| 会社員(企業型DC・DB等あり) | 月2万円が事実上の上限 | 月6.2万円から会社の掛金等を差し引いた額 |
| 公務員 | 月2万円 | 原則月5.4万円(私立学校教職員共済は月5.5万円) |
| 専業主婦・主夫(第3号) | 月2.3万円 | 月2.3万円(変更なし) |
| 掛金の税制 | 全額所得控除 | 変更なし(全額所得控除) |
出典:厚生労働省「2025年の制度改正」、年発1224第1号通知(2026年7月31日確認)
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは:制度の基本
iDeCoは、自分で掛金を出して自分で運用し、60歳以降に受け取る私的年金制度です。税制優遇が大きい代わりに、原則60歳まで引き出せません。
iDeCo(イデコ)は国民年金基金連合会が実施する制度で、掛金は月5,000円から1,000円単位で設定します。税制上の利点は、①掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除になる(国税庁タックスアンサーNo.1135)、②運用益が非課税、③受取時も退職所得控除や公的年金等控除の対象になる——の3点です。一方、積立金は原則60歳まで引き出せず、投資信託で運用すれば元本割れの可能性もあります。
いつから何が変わる?施行日と適用スケジュール
今回の改正の施行日は2026年12月1日です。新しい掛金上限は2026年12月分の掛金から適用され、実際の口座引き落としは2027年1月26日分からになります。
根拠法は「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」(令和7年法律第74号、2025年6月13日成立・6月20日公布)で、施行日と新上限は2025年12月24日公布の政令(令和7年政令第441号・第442号)で確定しました。関連する近年の改正は次のとおりです。
| 時期 | 内容 | 2026年7月31日時点の状態 |
|---|---|---|
| 2024年12月1日 | DB等がある会社員・公務員のiDeCo上限を月2万円に引き上げ。加入時の事業主証明書を廃止 | 施行済み |
| 2026年1月1日 | 退職所得控除の調整期間を「4年」から「9年」へ延長(通称:5年ルール→10年ルール) | 施行済み |
| 2026年4月1日 | 企業型DCのマッチング拠出の「会社の掛金以下」という上限規制を撤廃 | 施行済み |
| 2026年12月1日 | iDeCo・企業型DCの掛金上限引き上げ、iDeCoの加入可能年齢を70歳未満へ | 公布済み・施行前 |
| 2027年1月26日 | 2026年12月分の掛金から新上限で引き落とし開始 | 施行に伴う予定 |
| 2027年1月納入分~ | 国民年金基金連合会の掛金納付手数料が月105円から120円に | 決定済み(2026年4月30日発表) |
出典:厚生労働省「2025年の制度改正」、年発0630第1号通知、国民年金基金連合会リーフレット(2026年7月31日確認)
対象となる人:職業別の新しい掛金上限はいくら?
上限は「国民年金の被保険者区分」と「勤務先の企業年金の有無」で決まります。企業年金のない会社員は月6.2万円、ある人は月6.2万円から会社の掛金等を差し引いた額が上限です。
会社員(企業年金なし/企業型DCあり/DB等あり)
企業年金のない会社員は、月2.3万円から月6.2万円へと約2.7倍に広がります。企業型DC(企業型確定拠出年金)がある場合は「月6.2万円−会社が出す事業主掛金」、確定給付企業年金(DB)などもある場合は「月6.2万円−(事業主掛金+DB等の掛金相当額)」が新しい上限です。改正前の「iDeCo単独で月2万円まで」という別枠の上限は廃止され、合算方式に一本化されます。事業主掛金等の額は、給与明細や人事部門で確認できます。
公務員
公務員のiDeCo上限は、現在の月2万円から「月6.2万円−共済の退職等年金給付の掛金相当額」に変わります。厚生労働省の案内では、この掛金相当額は国家公務員共済組合・地方公務員共済組合が月8,000円、私立学校教職員共済制度が月7,000円とされています。したがって、国家公務員・地方公務員のiDeCo上限は原則月5.4万円(6.2万円−8,000円)、私立学校教職員共済の加入者は月5.5万円(6.2万円−7,000円)です。
自営業者・フリーランス(第1号被保険者)
自営業者・フリーランスなど国民年金の第1号被保険者と、国民年金の任意加入被保険者は、月6.8万円から月7.5万円に引き上がります。この7.5万円は国民年金基金の掛金や付加保険料と合算した上限で、国民年金基金に加入している人はその掛金を差し引いた残りがiDeCoに使える枠です。
専業主婦・主夫(第3号被保険者)
会社員・公務員に扶養される専業主婦・主夫(国民年金の第3号被保険者)は月2.3万円のまま変わらず、今回の引き上げの対象外です。
60歳以上70歳未満で加入できるのはどんな人?
60歳以上70歳未満の人は、2026年12月1日以降、次の条件で加入(継続・新規)できます。厚生労働省の資料では、①iDeCoの加入者だった、②iDeCoの運用指図者(掛金を止めて運用だけしている人)だった、③企業型DCなどの企業年金からiDeCoに資産を移換する——のいずれかに該当し、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給しておらず、企業型DCのマッチング拠出をしていない人が対象です(新設の「第5号加入者」。掛金上限は原則月6.2万円)。なお、60歳以降も厚生年金に加入して働く会社員・公務員は、従来どおり加入を続けられます。
企業(事業主)への影響
企業型DCの事業主掛金の上限も月5.5万円から月6.2万円に上がります。従業員から事業主掛金額の確認などの問い合わせが増えると見込まれるため、案内の準備をおすすめします。
対象外・例外・経過措置
今回の改正は上限の引き上げであり、掛金の枠が下がる人は基本的にいません。ただし、上限が変わらない人と、加入できない人がいます。
- 上限が変わらない人:第3号被保険者(月2.3万円のまま)。
- 加入できない人:老齢基礎年金を受給した人(65歳より前の繰上げ受給を含む)と、iDeCoの老齢給付金をすでに受け取った人は加入できません(現行制度から継続)。特別支給の老齢厚生年金の本来支給や、企業型DCの老齢給付金の受け取りは妨げになりません。
- 国民年金の保険料を免除されている第1号被保険者は、障害基礎年金の受給者などを除き、従来どおり加入できません。
- マッチング拠出をしている人:企業型DCのマッチング拠出とiDeCoは併用できません。2026年4月1日に「会社の掛金以下」という上限規制は撤廃されましたが、併用不可は改正後も変わりません。
- 経過措置:施行日から3年間(2026年12月1日~2029年11月30日)は、上記①~③のいずれにも該当しない60歳以上70歳未満の人もiDeCoに加入できます。ただし、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給した人などの加入除外要件は、この期間中も変わりません。
- 掛金額の変更は通常年1回ですが、2026年12月1日~2027年11月30日は、改正前の上限を超える引き上げに限り回数制限の例外です(厚生労働省・年発0630第1号通知)。
ケース別の具体例:あなたの上限はこう変わる
代表的な5つのケースで改正前後の上限額を比べます。金額は毎月のiDeCo掛金の上限です。
| ケース | 改正前 | 改正後(2026年12月分~) |
|---|---|---|
| 35歳会社員・企業年金なし | 2.3万円 | 6.2万円(満額なら年間74.4万円の所得控除) |
| 45歳会社員・企業型DCの事業主掛金が月3万円 | 2万円 | 3.2万円(6.2万円−3万円) |
| 50歳公務員(国家・地方) | 2万円 | 原則5.4万円(6.2万円−掛金相当額8,000円。私学共済は5.5万円) |
| 62歳・厚生年金に加入して勤務中 | 65歳未満まで加入可 | 老齢基礎年金等を受給していなければ70歳未満まで継続可 |
| 61歳・退職済みで国民年金の任意加入なし | 加入不可 | iDeCoの加入歴・資産があれば「第5号加入者」として加入可(2029年11月30日までは経過措置により加入歴なしでも可。上限は原則6.2万円) |
出典:厚生労働省「2025年の制度改正」各資料をもとにNEWS DAILY編集部作成(2026年7月31日確認)
掛金額別・税率別の節税額のめやす
iDeCoの掛金は全額が所得控除になるため、「年間掛金×(所得税率+住民税率)」がおおよその年間軽減額です。たとえば月2万円・税率合計20%なら年間4.8万円が軽くなる計算です。
| 毎月の掛金(年間掛金) | 税率合計15%(所得税5%+住民税10%) | 税率合計20%(所得税10%+住民税10%) | 税率合計30%(所得税20%+住民税10%) |
|---|---|---|---|
| 1万円(12万円) | 約1.8万円 | 約2.4万円 | 約3.6万円 |
| 2万円(24万円) | 約3.6万円 | 約4.8万円 | 約7.2万円 |
| 3万円(36万円) | 約5.4万円 | 約7.2万円 | 約10.8万円 |
| 6.2万円(74.4万円) | 約11.2万円 | 約14.9万円 | 約22.3万円 |
試算の前提:所得税率は課税所得に応じた5%・10%・20%(国税庁タックスアンサーNo.2260。課税所得のめやすは各195万円・330万円・695万円以下)、住民税は所得割10%。復興特別所得税(所得税額の2.1%)は含みません。控除後も税率区分が変わらない前提の概算で、実際の税額は所得・控除により異なります。所得税・住民税をほとんど納めていない人には効果が生じません。(2026年7月31日・NEWS DAILY編集部試算)
必要な手続き:掛金を増やすには変更届が必要
2026年12月になっても掛金は自動では増えません。増額には金融機関(運営管理機関)への掛金額変更の届出が必要です。
- すでに加入している人:「加入者掛金額変更届」などを金融機関経由で提出します。受付開始時期や必要書類は金融機関によって異なるため、加入先の金融機関に早めに確認してください。
- これから加入する人:金融機関を選んで申し込みます。2024年12月から事業主証明書は原則不要になりました。加入完了まで一定の期間を要するため、利用開始時期に余裕を持って申し込みましょう。
- 60歳以上で新たに加入する人:加入の申し出は施行日の2026年12月1日以降にできます。老齢基礎年金等を受給していないことなどの確認があります。
- 企業型DCがある会社員:先に事業主掛金の額を確認し、iDeCoに使える枠(6.2万円−事業主掛金等)を計算してから掛金額を決めます。
よくある誤解
- 「12月になれば掛金は自動で増える」→ 増えません。 上限が広がるだけで、掛金額は変更手続きをした人だけ変わります。
- 「専業主婦・主夫も上限が上がる」→ 上がりません。 第3号被保険者は月2.3万円で据え置きです。
- 「60歳を過ぎたら誰でも70歳まで入れる」→ 条件があります。 iDeCoの加入歴・資産などの要件と、老齢基礎年金等を受給していないことが必要です(2029年11月30日までの経過措置あり)。
- 「掛金×税率の分だけ必ず税金が戻る」→ 概算です。 納税額が少なければその分しか軽減されません。
- 「マッチング拠出の規制が緩和されたからiDeCoと併用できる」→ できません。 2026年4月の規制撤廃後も併用不可は続いています。
- 「受け取るときは非課税」→ 課税対象です。 退職所得控除や公的年金等控除を超える部分には税金がかかります。
専門家・実務の視点から見た注意点
掛金の上限が広がるほど、「出口」である受取時の税金と、資金が拘束されるリスクの管理が重要になります。
受け取るときは課税される:退職所得控除と「10年ルール」
iDeCoを一時金で受け取ると退職所得として課税され、退職所得控除(加入年数20年以下は40万円×年数、20年超は800万円+70万円×超過年数)が使えます。年金形式なら雑所得として公的年金等控除の対象です(国税庁タックスアンサーNo.1420・No.1600)。注意したいのは2026年1月1日施行済みの通称「10年ルール」です。2026年1月1日以後にiDeCo(確定拠出年金)の一時金を受け取り、その後に会社の退職金を受け取る場合、退職金を受け取る年の「前年以前9年内」のiDeCo一時金が退職所得控除の調整対象になりました(改正前は4年内)。退職金を先に受け取る逆順では「前年以前19年内」の調整が従来どおり続きます。退職金の額や時期が見えている50代以降の方は、受け取りの順序と間隔で税額が大きく変わり得るため、税理士など専門家に相談する価値のある論点です。
手数料と元本割れの可能性
iDeCoでは、加入・移換時に2,829円、掛金納付のたびに105円(国民年金基金連合会。2027年1月納入分から120円に改定)、毎月66円(事務委託先金融機関)がかかり、運営管理機関の手数料が上乗せされる場合もあります。拠出中は最低でも月171円(2027年1月納入分からは186円)、給付時も多くの場合1回440円かかります。元本確保型だけの少額積立では手数料が利息を上回ることがあり、投資信託には元本割れの可能性があります。
50代・60代から始める意味はあるか
掛金の所得控除は年齢に関係なく効くため、所得税・住民税を納めている50代・60代にも効果があります。ただし受け取りには時間の条件があり、60歳から受け取るには通算加入者等期間が10年以上必要(不足時は受給開始が61~65歳に繰り下がる)で、60歳以上で初めて加入した人は加入から5年経過後に受給できます(開始は60~75歳で選択、75歳までに請求が必要。iDeCo公式サイト)。加入期間が短いと退職所得控除の枠(40万円×年数)も小さくなるため、退職金との受け取り時期とあわせて設計することが大切です。
iDeCoとNISA、どちらを優先する?(判断表)
「60歳まで使わないお金」で「所得控除の効く所得がある」ならiDeCo、流動性を重視するならNISAが基本の考え方です。次の表は、一般に語られる整理をNEWS DAILY編集部がまとめた判断のめやすで、個別の最適解は所得や資金計画によって異なります。
| あなたの状況 | 優先順位の考え方 |
|---|---|
| 所得税・住民税を納めていて、60歳まで使う予定のない資金がある | iDeCoの所得控除メリットが効きやすい。iDeCoの枠を使い、余力をNISAへ |
| 住宅・教育など数年内に使う可能性のある資金 | いつでも引き出せるNISAを優先。iDeCoは老後専用資金に限定 |
| 所得が少なく所得税・住民税をほぼ納めていない(第3号など) | 所得控除の効果が小さいためNISAを優先するのが基本 |
| 50代後半~60代で、まとまった退職金を受け取る見込み | 10年ルールの影響を確認し、受取設計を先に。拠出の節税効果自体は有効 |
| 企業年金が手厚くiDeCoの枠が小さい | 枠の範囲で少額のiDeCo+NISA併用 |
NISA(少額投資非課税制度)は、つみたて投資枠が年120万円・成長投資枠が年240万円、生涯1,800万円の非課税枠で、売却・引き出しはいつでも可能ですが、掛金の所得控除はありません。
改正前チェックリスト
- 施行日(2026年12月1日)と新上限での引き落とし開始(2027年1月26日)を把握した
- 自分の被保険者区分(第1号・第2号・第3号・任意加入・60歳以上)を確認した
- 勤務先の企業年金の種類と、事業主掛金・DB等の掛金相当額を確認した
- 改正後の自分の掛金上限額を計算した
- 増額する場合の変更手続きと受付時期を金融機関に確認した
- 生活防衛資金を確保し、原則60歳まで引き出せない点を許容できるか確認した
- 退職金の見込み額・受取時期と、iDeCoの受取時期(10年ルール)の関係を確認した
- 手数料(毎月171円~、2027年1月納入分からは186円~)と商品ラインアップを確認した
- 年末調整・確定申告での控除手続きの流れを確認した
よくある質問(FAQ)
Q1. 老齢基礎年金を繰り下げ中(まだ受け取っていない)ですが、iDeCoに加入できますか? A. 老齢基礎年金を繰下げ待機中で、まだ受給していない場合は加入できます。老齢厚生年金を受給していることは妨げになりません。ただし、iDeCoの老齢給付金を受給していないことなど、その他の加入要件も満たす必要があるため、申込時に金融機関で確認してください。
Q2. 公務員の上限は具体的にいくらになりますか? A. 国家公務員・地方公務員は原則月5.4万円です。月6.2万円から共済の退職等年金給付の掛金相当額(国家・地方公務員は月8,000円)を差し引いた額が上限で、私立学校教職員共済の加入者は月5.5万円(掛金相当額は月7,000円)です。
Q3. 途中で掛金の拠出をやめることはできますか? A. できます。拠出を止めて「運用指図者」になれば掛金納付の手数料は不要ですが、資産管理の手数料(毎月66円など)は続き、引き出しは原則60歳までできません。
Q4. 年末調整ではどんな書類が必要ですか? A. 「小規模企業共済等掛金払込証明書」が必要です。毎年秋ごろに国民年金基金連合会から届くこの証明書を、年末調整の書類に添付するか、確定申告で使用します。
Q5. 企業型DCの一時金をすでに受け取りましたが、iDeCoに加入できますか? A. 加入できます。加入できなくなるのは老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給した場合で、企業型DCの老齢給付金の受け取りは妨げになりません。ただし受取時の税金(10年ルール等)には影響し得ます。
Q6. 改正を待ってから加入したほうがよいですか? A. 待つ必要はありません。掛金の所得控除は加入した月の分から効くため、現行の上限の範囲で早く始め、2026年12月分から増額する選択もできます。
まとめ
2026年12月1日の改正で、iDeCoは掛金上限が職業別に引き上げられ、条件を満たせば70歳未満まで加入できる制度になります。企業年金のない会社員は月6.2万円、自営業者などは合算で月7.5万円へ広がる一方、第3号被保険者は据え置きです。増額には変更手続きが必要で、60歳まで引き出せない性質と受取時の課税(10年ルール含む)は変わりません。まずは自分の被保険者区分と勤務先の企業年金から改正後の上限額を把握し、NISAとの役割分担も含めて掛金額を決めましょう。退職金との受け取り設計など判断が分かれる場面は、税理士など専門家に相談してください。
一次資料・参考資料
- 厚生労働省「2025年の制度改正」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2025kaisei.html (2026年7月31日確認)
- 厚生労働省「iDeCoの加入可能年齢の引き上げ」 https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001597572.pdf (同上)
- 厚生労働省「DC拠出限度額(令和8(2026)年12月~)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001597082.pdf (同上)
- 厚生労働省年金局長通知「国民年金基金令等の一部を改正する政令の公布について」(年発1224第1号・2025年12月24日) https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251225T0020.pdf (同上)
- 厚生労働省年金局長通知(年発0630第1号・2026年6月30日) https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260706T0030.pdf (同上)
- 日本私立学校振興・共済事業団「確定拠出年金(iDeCo及び企業型DC等)の問い合わせ」 https://www.pmac.shigaku.go.jp/annai/news/topics/topics_250716_00.html (2026年7月31日確認)
- 国民年金基金連合会・iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」 https://www.ideco-koushiki.jp/guide/structure.html (同上)
- 国民年金基金連合会「iDeCo加入者に係る手数料を見直します」 https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/leaflet202604.pdf (同上)
- 国税庁タックスアンサー No.1135「小規模企業共済等掛金控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm /No.1420「退職金を受け取ったとき」/No.1600「公的年金等の課税関係」/No.2260「所得税の税率」(同上)
- 財務省「令和7年度税制改正の大綱」(2024年12月27日閣議決定)
※本記事は2026年7月31日時点の公表資料に基づく一般的な解説です。個別の税額・加入可否を保証するものではありません。
更新履歴
- 2026年7月31日:公開(2026年7月31日時点の一次資料で作成)
主婦年金は廃止される?第3号被保険者制度見直しで何が変わるか
記事作成日:2026年5月20日 最終更新日:2026年5月20日 この記事の結論 主婦年金と呼ばれる第3号被保険者制度は、記事作成時点で「すぐに全面廃止される」と決まっているわけではありません。 ただし、短時間労働者への社会保険適用拡大が進むことで、これまで配偶者の扶養内で働いていたパート・アルバイトの一部は、厚生年金・健康保険に加入するケースが増えていきます。 つまり、今回のポイントは「第3号被保険者制度の即時廃止」ではなく、社会保険適用拡大による実質的な対象縮小です。 手取りが一時的に減る人がいる一 ...
106万円の壁は2026年10月にどう変わる?社会保険・手取り・企業負担をわかりやすく解説
※本記事は2026年7月20日時点の法令・公表情報に基づいています。施行日等は政省令により変更される可能性があるため、最新情報もあわせてご確認ください。 この記事の結論 2026年10月から、パート・アルバイトが勤務先の社会保険(厚生年金・健康保険)に加入するかどうかの条件のうち、「月額賃金8.8万円以上(年収約106万円)」という賃金要件が撤廃される予定です。最低賃金の上昇により、週20時間以上働けば月8.8万円を超えるのがすでに通常となっているため、この改正は実態に合わなくなった基準を法令上も整理する ...
遺族厚生年金は5年で終わる?いつから・誰が対象かを解説【2028年4月施行予定】
20代から50代で、18歳年度末までの子(障害の状態にある場合は20歳未満。以下同じ)がいない配偶者が受け取る遺族厚生年金は、2028年4月から男女共通で原則5年間の有期給付に変わる予定です。SNSでは「遺族年金が廃止される」「5年で打ち切られる」といった情報も広がりましたが、全員が5年で終わるわけではなく、そもそも影響を受けない方も多くいます。本記事は2026年7月25日時点の厚生労働省・日本年金機構の一次資料に基づき、いつから・誰が対象になるのか、増える給付と5年経過後の仕組みをわかりやすく解説します ...


