
情報確認日:2026年9月24日
最新の店頭価格の対象期間:2026年9月7〜13日/公表日:9月18日
米の店頭価格は、値下がりが続いています。農林水産省が9月18日に公表した全国約1,000店舗のスーパーの平均販売価格は、9月7〜13日の週で税込5kg当たり2,971円。前週より32円、前年同期より1,304円下がりました。ただし、これは新米や特定の銘柄だけの価格ではなく、対象店舗で販売された米の平均です。この記事では、高騰前からの推移、値動きの理由、2026年産新米との違い、買い物で比べたい条件を整理します。
この記事のポイント
- 値動きは「前年との比較」と「高騰前との比較」で見え方が変わります。
- 全国平均と買いたい商品の違いは、銘柄・年産・販売条件をそろえると理解しやすくなります。
- 今後は新米の供給量、在庫の減り方、政府の買戻しを確認。家計への影響は普段の購入量で計算できます。
米価格は今いくら?5kgの最新平均価格
現在の全国的な目安は、スーパーの販売実績に基づく税込5kg平均2,971円です。農水省がKSP-SPのPOSデータ、つまりレジで記録された販売情報を使って集計しています。
下表は、すべて2026年9月7〜13日の同じ週の数値です。調査範囲は全国約1,000店舗のスーパーで、公表日は9月18日です。
| 種類 | 平均価格(税込5kg) | 前週との差 |
|---|---|---|
| 全体平均 | 2,971円 | 32円安 |
| 銘柄米 | 2,988円 | 35円安 |
| ブレンド米等 | 2,866円 | 34円安 |
出典:農水省の週次POS資料・1〜2ページ。資料上の「ブレンド米等」には、ブレンド米のほか、PB(小売店などの独自ブランド)商品等も含まれます。
全体平均は前週比1.1%安、前年同期比30.5%安でした。銘柄米とブレンド米等の平均がともに下がっており、安い区分の商品が多く売れたことだけで全体の下落を説明するのは不十分です。
一方、区分の中でも売れた商品の組み合わせは変わります。この週の販売数量の割合は銘柄米85%、ブレンド米等15%。平均の値下がりと、いつも買う同じ商品の値下がりは分けて確認すると、買い物の実感との違いが分かります。
この平均は、調査対象店で実際に売れた商品の集計値です。近所の店で今日買える価格を知るには、その店の値札やチラシ、商品ページを確認しましょう。
米価格はどう変わった?高騰前から現在までの推移
米の価格は、2024年から2025年にかけて大きく上昇し、2026年は下落へ転じています。ただ、長い期間で比べると、高騰前より高い水準です。
月次で見ると、2024年春より約5割高い水準
長期の比較には、農水省「米に関するマンスリーレポート」のKSP-POS月次データを使います。全国約1,000店舗のスーパー・生協等で把握した精米の販売を5kgに換算し、販売数量を反映して平均した税込価格です。
| 対象月 | 全POS取引平均価格(税込5kg換算) |
|---|---|
| 2024年4月 | 2,083円 |
| 2024年9月 | 3,105円 |
| 2025年4月 | 4,225円 |
| 2025年12月 | 4,337円 |
| 2026年8月 | 3,160円 |
出典:2025年5月号「消費-10」、2026年9月号「消費-11」。ドラッグストアの参考値は含めていません。提供店舗数には変動があり、遅れて報告されたデータなどで数値が修正される場合があります。
2025年4月の平均は、2024年4月の約2倍になりました。その後、2026年8月は2025年12月より1,177円、27.1%下がっています。
それでも2024年4月との比較では1,077円、51.7%高い計算です。「最近は安くなった」と感じる人も、「以前より米代がかかる」と感じる人もいるのは、比較する時期が違うためです。
週次で見ると、足元でも下落が進む
直近の動きは、月平均と分けて週次で確認します。
| 対象週(2026年) | 全体平均(税込5kg) |
|---|---|
| 8月24〜30日 | 3,112円 |
| 8月31日〜9月6日 | 3,003円 |
| 9月7〜13日 | 2,971円 |
出典:農水省の週次POS資料。最新週は前年の対応する週、2025年9月8〜14日の4,275円から1,304円下がりました。
月次の3,160円は8月全体、週次の2,971円は9月の1週間の平均です。調べたいのが長期の変化か、最近の動きかに応じて、表を使い分けると読み取りやすくなります。
米価格が動く理由は?過去の高騰と足元の下落を整理
過去の高騰は、供給不足と調達競争が中心でした。足元は在庫が前年より増え、販売価格が下がる局面です。時期を分けて見ると、同じ「米価格」のニュースでも説明が違う理由が分かります。
高騰の背景にあった、需要と供給のずれ
農水省の検証では、2023年7月〜2024年6月、2024年7月〜2025年6月は生産が需要に追いつかず、民間在庫を取り崩して供給を確保しました。需要が減るという見通しに対して、実際には家計の購入量などが増えていたことが背景にあります。
高温障害などによる「精米歩留まり」の低下も影響しました。これは、玄米から販売できる精米がどれだけ得られるかという割合です。同じ量の精米を用意するために、より多くの玄米が必要になり、供給に余裕がなくなりました。農水省の高騰要因の検証は、こうした供給面と需要面の両方を挙げています。
不足への不安が、集荷・調達価格を押し上げた
在庫が減ると、卸売業者などは必要な米を確保しようとします。通常の調達先に加えて別の取引先を探し、高い価格でも買い付ける動きが、価格上昇につながりました。
農水省は令和7年度白書で、2025年産についても、収穫量が判明する前の集荷競争と集荷価格の上昇が、高止まりにつながったと分析しています。収穫量が増えても、すでに高い価格で調達・契約した米の販売が続けば、店頭価格に変化が表れるまで時間がかかります。
足元では在庫が増え、売り先の確保が課題に
2026年7月末の出荷・販売段階の民間在庫は、玄米換算で162万トン。前年同月の92万トンから70万トン増えました。一定規模以上の集荷・卸売業者などを対象とした月次調査の速報値です。マンスリーレポート9月号「在庫-1・2」で確認できます。
在庫が多い状況で新米も入ってくれば、販売する側は売り先の確保を急ぎやすくなります。このため、在庫の増加は値下がり方向の材料と考えられます。これは需給の仕組みからの見方で、直近の32円の下落を一つの要因だけに割り当てることはできません。
店頭では、個別商品の値付けだけでなく、新米・前年産米・ブレンド商品などの売れ方も平均に影響します。在庫の数字と、実際に何がどれだけ売れたかを合わせて見ることが大切です。
業者間の価格は、店頭より前の段階を見る指標
2026年8月の相対取引価格は、2025年産米の全銘柄平均で玄米60kg当たり31,556円。前月より930円下がりました。相対取引とは、全農などの出荷業者と卸売業者等が価格・数量を決める取引です。9月18日の農水省発表によると、価格には運賃、包装代、消費税が含まれます。
この月の契約数量は5.7万トンで、それまでの2025年産米の取引数量全体の約3%です。農水省の価格・数量の解説も、年産全体に与える影響は小さいとしています。月ごとの数字を見る際は、どれだけの量がその価格で契約されたかも確認すると判断しやすくなります。
相対取引価格は農家の手取りや小売店の仕入れ額とは別です。玄米60kgを単純に12で割っても精米5kgの店頭価格にはならず、その差額を流通業者の利益と計算することもできません。精米による重量の減少に加え、その後の加工・保管・配送・販売の費用がかかります。
農家の側では、肥料・農薬などや人件費の上昇が経営を圧迫しています。消費者の負担が軽くなることと、次の年も米を生産できることの両方を考える必要があり、店頭の平均価格だけで農家の採算までは判断できません。農水省白書・生産コストの説明
新米はいくら?全国平均と買う商品の違い
5kg平均2,971円は、2026年産新米だけの全国平均ではありません。年産を限定しないスーパーの平均と、特定の産地・銘柄の新米は、比べる条件が違います。
2026年産米の個別例として、イオンショップでは伊丹産業の「千葉県産粒すけ5kg」が、9月24日時点で税込表示3,542.40円、送料込みで掲載されています。受付期間は2026年9月15日〜2027年2月28日、お届けは注文受付から10日前後の予定です。ポイント還元などを差し引く前の、通販の商品表示価格です。商品ページ
この例から分かるのは、年産・銘柄・配送条件を指定した商品の価格です。全国の新米の相場や、同じ銘柄の店頭価格の代表値としては扱えません。通販は送料を含むかどうかでも、比較結果が変わります。
売り場で価格が違うときは、まず産地・品種、年産、精米時期、無洗米かどうかを見てください。同じ「コシヒカリ」でも産地が異なり、同じ産地でも年産や販売条件が違う場合があります。
新米の入荷が増える時期には、前年産米の販売と新米への切替えが同時に進みます。全体平均を目安にしつつ、買いたい商品の条件をそろえて比べるのが実用的です。
米価格は今後どうなる?新米・在庫・政策が注目点
今後の値動きでは、在庫の多さと新米の供給が値下がり方向の材料になります。一方で、実際の収穫量、売れ行き、政府が市場から買い入れる量によって、その強さは変わります。
生産見通しは需要を上回るが、収穫は確定前
農水省が9月2日に示した2026年産の主食用米等の生産見通しは、735〜754万トンです。対応する2026年7月〜2027年6月の需要見通しは693〜711万トンで、いずれも玄米ベースの国内産米の数字です。米の需給見通し・3〜5ページ
これは作付意向や8月15日時点の収量見込みなどから算出した幅のある試算です。今後の収穫量や品質、実際に精米して販売できる量を確認する必要があります。作柄の見通しが良くても、すべての地域・銘柄の供給が同じように増えるわけではありません。
政府備蓄米は、放出後の買戻しへ
2025年には政府備蓄米の流通が店頭平均を押し下げる一因になりました。農水省のPOS資料も、同年6月以降の随意契約による備蓄米の流通と平均価格の低下を説明しています。
2026年秋は備蓄水準の回復も進められており、9月18日には、2025年産米21万トンの政府買戻しが成約しています。農水省の見積合せ結果
この公表で分かるのは契約の成立までです。買戻しは市場の米を政府備蓄へ移すため、一般向けに販売される量を減らす方向に働きます。店頭価格への影響は、引渡しの時期や民間の販売状況と合わせて見る必要があります。
9月2日の需給見通しでは、この21万トンの買戻しを織り込んだ2027年6月末の民間在庫を、246〜283万トンとしています。買戻しの計画があっても、供給と在庫にどれだけ余裕が残るかを確認することが、価格を考える手掛かりです。
値動きを読むために確認したい5つの指標
| 見る指標 | 何を確認するか | 価格へのつながり |
|---|---|---|
| 週次の店頭POS | 区分別価格と販売割合 | 実際の値下げと商品構成の変化を見分ける |
| 新米の入荷・販売 | 地域・銘柄別の価格、前年産米との切替え | 入荷量と売れ行きが値付けに影響 |
| 相対取引価格・数量 | 年産、対象月、契約量 | その後に流通する米の調達条件を見る |
| 民間在庫 | 同じ調査範囲での前年同月差 | 在庫が多く販売が鈍ければ値下げ圧力 |
| 収穫・需給と政策 | 生産・需要の修正、買戻しの進捗 | 市場に出る量の増減を確認 |
新米が見通しどおり供給され、在庫の販売競争が強まれば、下落が続く方向です。反対に、収穫量が見通しを下回る、需要が強まる、市場からの買入れが増えるといった変化は、下落を緩めたり値上がりにつながったりします。両方向の力がつり合えば、横ばいの期間も考えられます。
これらは値動きを考える条件です。特定の月に特定の価格になると決めて買うより、普段買う商品がいくらになったかを続けて確認する方が、家計の判断に使えます。
米を買うときの比較ポイントと家計への影響
買い物では、まず支払総額と容量をそろえ、そのうえで商品の条件を比べましょう。通販の安さを判断するときは、送料や追加料金を含めるのが基本です。
| 比較する項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 容量と総額 | 何kg入りか、税込価格、送料を含む支払額 |
| 原料米 | 銘柄・産地、単一原料米か複数原料米か |
| 年産と精米時期 | いつ収穫された米か、いつ精米されたか |
| 商品の種類 | 精米・玄米・無洗米など、調理条件の違い |
| 販売条件 | 通常価格か、クーポン条件、予約・配送日 |
同じ精米なら、「送料込みの支払総額÷kg数」で1kg当たりを出すと、容量が違う袋も比べやすくなります。5kg換算にする場合は、その単価に5を掛けます。ポイントは後日利用できる条件があるため、最初に支払う金額と分けて確認すると明快です。
10kg商品の値段は、その商品の値札で確認します。5kgの全国平均を2倍した金額は購入量に応じた計算値であり、10kg袋の実売相場とは区別しましょう。
家計への影響は、5kg当たりの価格差と購入量で計算
月の負担の違いは、次の式で見積もれます。
5kg当たりの価格差 × 月間購入量(kg)÷ 5
例えば、同じ量を購入する条件で、5kg当たり500円安くなり、月に10kg買うなら、500円×10÷5で月1,000円の負担減です。この価格差と購入量が12か月続けば、年間では1万2,000円の差になります。
これは仮定を置いた計算例です。自分のレシートと月間購入量を使えば、全国平均よりも実際の家計に近い変化を把握できます。銘柄を変えて安くなった分と、同じ商品の値下がり分を分けると、何が米代を変えたかも分かります。
買う量は消費ペースと保管場所に合わせる
値下がりを待って買い控えるか、大袋をまとめ買いするかは、普段の消費量で判断しましょう。農水省は、精米した日から約1か月で食べ切れる量の購入と、清潔な密封容器を使った低温での保管を勧めています。農水省「米の保管方法」
風味を保てる量を買い、次の購入時に同じ条件の商品を比べれば、価格の変化を取り入れやすくなります。防災用の備えも、普段使う分を消費しながら補充すると管理しやすくなります。
米価格は下落が進んでいます。次に見たいのは、新米への切替え後もこの動きが続くか、増えた在庫がどのペースで販売されるかです。全国平均で流れをつかみ、購入時は銘柄・年産・税込総額をそろえて比較しましょう。
参考資料
- 農林水産省「スーパーでの販売数量・価格の推移」/2026年9月18日公表、9月7〜13日対象。PDF
- 農林水産省「米に関するマンスリーレポート」/2025年5月号、月次価格「消費-10」。PDF
- 農林水産省「米に関するマンスリーレポート」2026年9月号/2026年9月18日公表、在庫「在庫-1・2」、月次価格「消費-11」。PDF
- 農林水産省「今般の米の価格高騰の要因や対応の検証」/2025年8月。PDF
- 農林水産省「令和7年度 食料・農業・農村白書 特集 米の安定供給に向けた対応」/令和7年度版。掲載ページ
- 農林水産省「令和7年産米の相対取引価格・数量について(令和8年8月)」/2026年9月18日公表。発表・数値と注記・価格と契約数量の解説
- 農林水産省「米の需給見通しについて」/2026年9月2日公表。PDF
- 農林水産省「政府備蓄米の買戻し条件付売渡しに係る政府買戻し(令和7年産)見積合せの結果」/2026年9月18日公表。PDF
- イオンショップ「伊丹産業【令和8年産】【精米】千葉県産粒すけ5kg」/公表日記載なし、2026年9月24日の価格・条件を確認。商品ページ
- 農林水産省「米を取引する際に守るべき法律」内「米の保管方法」/当該項目の公表日記載なし、2026年9月24日確認。掲載ページ
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