
8月9日朝に押さえておきたいのは、公的年金の積立金、物流DXへの支援、そして職場のメンタルヘルス対策です。
厚生労働省が公表した2025年度の年金決算では、厚生年金と国民年金を合わせた積立金が時価ベースで302兆5893億円となり、過去最高を更新しました。一方、国土交通省は物流データ連携を支援する補助金の3次公募を開始。職場では、メンタルヘルス対策に取り組む事業所が63.0%だったことも最新調査で分かりました。
今日のポイント
- 公的年金の積立金は時価ベースで302兆5893億円、前年度比42兆5136億円増
- 年金積立金の増加と、個人が受け取る年金額の改定は別の話
- 物流データ連携の補助金は補助率2分の1以内、1協議会4000万円が上限
- 申請期限は9月18日17時、荷主2社以上を含む協議会が対象
- メンタルヘルス対策に取り組む事業所は63.0%で、小規模事業所ほど実施割合が低い
年金積立金が302兆5893億円、過去最高を更新
厚生労働省は8月7日、2025年度の厚生年金保険・国民年金の収支決算を公表しました。
決算終了後の積立金は、帳簿上の簿価ベースでは130兆2837億円ですが、時価ベースでは302兆5893億円。時価額は前年度から42兆5136億円増え、過去最高となりました。FNNは、公的年金の積立金を運用するGPIFの運用実績が好調だったことが背景にあると報じています。
ここで注意したいのが、「積立金が42兆円増えた」という数字と、その年度の年金会計の収支は同じものではないことです。
2025年度の厚生年金は歳入53兆3210億円、歳出51兆5557億円で、歳入歳出差は1兆7653億円でした。国民年金は歳入4兆3312億円、歳出4兆2602億円で、差額は709億円です。
また、今回公表されたのは年金財政や積立金に関する決算であり、個々の受給者の年金額を引き上げるという発表ではありません。「積立金が過去最高になったから、自分の年金もその分増える」と受け取るのは適切ではなく、公的年金の財政状況を見る一つの材料として捉える必要があります。
物流DX補助金は最大4000万円、3次公募始まる
国土交通省は8月7日、「中小物流事業者の労働生産性向上事業費補助金」のうち、共同輸配送や帰り荷確保などに向けた物流データ連携促進支援事業の3次公募を始めました。
対象となるのは、「物流情報標準ガイドライン」を活用し、複数の荷主や物流事業者などがデータを連携して共同輸配送、帰り荷の確保、保管・輸送経路の最適化などに取り組む事業です。
公募事務局の案内では、補助率は対象経費の2分の1以内、上限額は1協議会あたり4000万円。申請には荷主企業2社以上を含む協議会を構成する必要があります。名称に「中小物流事業者」とありますが、公募サイトでは「対象事業者を中小企業に限定する事業ではない」と明記されています。
公募期限は9月18日17時必着で、交付決定は10月中旬ごろの予定。事業は2027年2月19日までに完了する必要があります。
そのため、単独企業が一般的なIT機器を購入する補助制度と考えるのではなく、自社が協議会の要件を満たせるか、共同輸配送やデータ連携として成立する事業かを公募要領で確認することが重要です。
メンタルヘルス対策は63.0%、事業所規模で大きな差
厚生労働省は同じ8月7日、2025年の「労働安全衛生調査(実態調査)」を公表しました。
調査では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.0%。前年調査の63.2%からほぼ横ばいでした。
一方、事業所規模別では差があります。
- 50人以上:93.7%
- 30〜49人:72.0%
- 10〜29人:54.6%
となりました。
さらに、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所のうち、ストレスチェックを実施している割合は64.0%でした。
今回の調査は常用労働者10人以上の民営事業所から抽出して実施され、有効回答は8054事業所、8393人です。そのため「すべての企業の63%」という意味ではありませんが、規模の小さい事業所ほど取り組み割合が低い傾向が最新統計でも確認された点は、中小企業の労務管理を考えるうえで注目されます。
読者が確認しておきたいこと
- 年金のニュースでは「積立金」と「自分の受給額」を分けて見る
今回は積立金と年金会計の決算発表であり、個人の受給額改定を知らせるものではありません。 - 物流補助金を検討する企業は協議会要件を確認する
荷主2社以上を含む協議会が必要で、締め切りは9月18日17時です。 - 企業は自社のメンタルヘルス対策を確認する
最新調査では、特に10〜29人規模の事業所で取り組み割合が54.6%にとどまりました。
まとめ
8月9日朝のニュースでは、長期的な社会保障を支える年金積立金が時価ベースで過去最高を更新した一方、企業現場では物流効率化や職場環境への対応が引き続き課題になっていることが確認されました。
年金積立金302兆5893億円という数字は大きいものの、それ自体が個人の年金受給額増加を意味するわけではありません。
物流DX補助金は9月18日という明確な申請期限があり、対象となり得る企業には実務的な確認が必要です。メンタルヘルスについても、最新統計で事業所規模による取り組みの差が示されました。
出典
FNNプライムオンライン「年金積立金 運用好調で最高額を更新 前年度より42兆5136億円増」(2026年8月8日)
https://www.fnn.jp/articles/-/1091056
厚生労働省「令和7年度『厚生年金保険・国民年金の収支決算の概要』を公表します」(2026年8月7日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/newpage_00007.html
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金の令和7年度収支決算の概要」(2026年8月7日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12501000/001728152.pdf
LogiShift「国土交通省が最大4000万円補助、3次公募開始!荷主連携で帰り荷確保を推進」(2026年8月7日)
https://logishift.net/2026/08/07/post-7821/
国土交通省「中小物流事業者の労働生産性向上事業費補助金…の3次公募開始について」(2026年8月7日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_001036.html
物流データ連携促進支援事務局「共同輸配送や帰り荷確保等のためのデータ連携促進支援事業」
https://meet.jmac.co.jp/datarenkei-r8
アドバンスニュース「63%企業がメンタルヘルス対策 厚労省、25年『労働安全衛生調査』」(2026年8月7日)
https://www.advance-news.co.jp/news/2026/08/post-5202.html
厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」(2026年8月7日)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r07-46-50b.html
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