
情報基準:2026年9月30日
中国に進出する日本企業は、帝国データバンクの調査で2年前より22.4%減りました。米国では消費者心理が悪化し、日本の7月の景気動向指数は「改善」の判断を維持しています。海外で事業を続ける企業の変化と、国内外の需要を考える材料を整理します。[1・2・4・5]TDB
中国に進出する日本企業は1万118社、2年間で減少
帝国データバンクが9月28日に公表した調査によると、中国に進出する日本企業は2026年6月時点で1万118社でした。2024年の前回調査から2,916社、22.4%減っています。対象は、香港・マカオ・台湾を除く中国で、現地法人への出資や駐在事務所の設置などを通じて事業を展開する日本企業です。[1]TDB
この2年間には新規参入も1,221社ありました。一方、調査上の「撤退・所在不明」は4,137社で、両者の差が社数の純減となっています。この分類には所在を確認できない企業も含まれます。[1]TDB
帝国データバンクは、中国を低コストの生産拠点として活用する動きが弱まり、販売やサービスなどの市場として戦略的に利用する企業への集中が進んでいると分析しています。[1]TDB
今回の数字が捉えているのは、中国へ進出している日本企業の社数です。事業を継続する企業の売上高や投資額は、別に確認する必要があります。
取引先の中国事業に部品や資材を供給している会社にとっては、生産拠点や発注先の変更が受注に関わります。例えば、取引先が生産を別の国へ移す場合、供給を続けられるかは、移管先との契約や物流の条件次第です。社数の変化に加え、取引先が事業をどこへ、どのように移すのかが実務上の確認点になります。
米国の消費者心理が悪化、求人統計とは分けて読む
米調査機関のコンファレンス・ボードが9月29日に発表した9月の消費者信頼感指数は81.9(1985年=100)となり、8月から6.7ポイント低下しました。現在の景況感だけでなく、先行きの見方も悪化しています。調査期間は9月1〜23日です。[2]The Conference Board
これは、消費者が景気や雇用などをどう感じているかを尋ねた調査です。自動車や住宅の購入計画も、6か月移動平均で小幅に低下しました。米国の消費者向けに製品を販売する企業には、今後の注文を考えるうえで気になる動きです。[2]The Conference Board
同日公表された米労働省の8月の求人・労働異動調査(JOLTS)では、求人数は約710万件でした。同省は前月から「ほぼ変わらず」と評価し、採用や解雇についても大きな変化はないとしています。[3]Bureau of Labor Statistics
9月の消費者心理と8月の実際の求人状況では、対象月も測っている内容も異なります。企業が販売計画に使うなら、心理調査を先々の需要を考える材料とし、実際の受注や販売の数字と照らし合わせる読み方が適しています。
日本の7月景気判断は「改善」、先行指数は下方修正
内閣府が9月29日に公表した7月の景気動向指数の改訂値で、景気の現状を示すCI一致指数は120.6となり、速報値から変わりませんでした。基調判断も「改善を示している」を維持しました。指数の基準は2020年=100です。[4・5]国土交通省地理院地図
一方、景気に先んじて動く指標をまとめた先行指数は、速報の117.9から117.7へ下方修正されました。前月差では1.5ポイントの上昇で、速報からの下方修正と、前月からの上昇が同時に起きています。[4]国土交通省地理院地図
景気動向指数は、生産や雇用など複数の指標を組み合わせ、景気の動きを捉える統計です。一致指数で足元の状況を、先行指数でその先の方向を見ます。「改善」という判断は、この統計の基準に沿った7月時点の評価です。[5・6]国土交通省地理院地図
自社の受注や家計の実感と比べるときは、全国の複数分野をまとめた動きと、身近な業種・地域の動きを分けると理解しやすくなります。次の8月分速報は10月7日に公表される予定です。[4]国土交通省地理院地図
出典
[1]帝国データバンク「日本企業の『中国進出』動向調査(2026年)」(2026年9月28日)
調査本文を読む
[2]The Conference Board「US Consumer Confidence Fell in September」(2026年9月29日)
発表資料を読む
[3]米労働統計局「Job Openings and Labor Turnover — August 2026」(2026年9月29日)
発表資料を読む
[4]内閣府経済社会総合研究所「景気動向指数 速報からの改訂状況・令和8年7月分」(2026年9月29日)
改訂資料PDFを読む
[5]内閣府経済社会総合研究所「景気動向指数・令和8年7月分速報 結果の概要」(2026年9月7日、速報との比較に使用)
速報資料PDFを読む
[6]内閣府経済社会総合研究所「景気動向指数の利用の手引」(公開日記載なし、2026年9月30日確認)
指標の解説を読む
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